2012 Fiscal Year Research-status Report
New high harmonic generation mechanism
Project/Area Number |
23740413
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
PIROZHKOV Alex 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (00446410)
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Keywords | コヒーレントx線放射 / レーザー光の高次高調波 / レーザー光とプラズマの相互作用 / 超高強度レーザー / 相対論的プラズマ |
Research Abstract |
平成24年度、高次高調波発生研究について、計画どおり順調に進展することができた。また、新しい高次高調波発生のスキームを発見した。 本年度、申請者は2つの実験、(1)レーザー装置(J-KARENレーザー)の高性能化(申請者は高性能化の代表として改良を実行)、(2)新しいスキーム、相対論的プラズマを利用したコヒーレントスパイクからのによる高次高調波発生、を行い測定した高次高調波実験のデータ解析と生成された高次高調波の特性評価を行った。 その成果として、高調波発生において、これまでよりも高い安定性を達成することが可能になり、本研究を大きく進展させることができた。特に、レーザー入射方向の軸外し方向への高次高調波発生については、予測以上の非常に興味深い実験結果を得ることができ、新しい高次高調波発生方法を発見することに至ることができた。本成果については、プレスリリースを行った。また、高分解能のイメージング軟X線分光器による測定によって、高次高調波の発生源の大きさが約1マイクロメートルであることを測定データの解析から得ることができ、高次高調波発生の角度分布とコヒーレンス評価に関するデータについても取得することができた。現在、取得したデータ等から新しい高次高調波の発生モデルの理論的な構築も同時にすすめている。 新しい高次高調波発生方法の発見は、高次高調波が潜在的に高い科学的・社会的影響を持つ有望な次世代小型コヒーレントX線源であること示している。今後、新しいコヒーレントX線源、及びその応用の可能性等、研究を迅速にすすめていく必要がある。 本成果については、原著論文2報、国際会議2件、国内会議1件の成果発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請者は、リーダーとしてJ-KARENレーザーの高性能化を行った。具体的には、レーザー光軸安定性、ショットごとの高いパルス安定性、レーザーパルス圧縮機の改良によって、高性能化を達成した。その結果、これまでの実験と比較して、高調波発生のはるかに優れた安定性と再現性を実現することができた。 高次高調波は8~18°の角度でレーザー集光軸外へ生成されることを発見した。これは、予測以上に非常に興味深い新しい結果である。また、イメージングXUV分光器によって、高次高調波は2~6°の発生角度分布を有していることを計測した。高次高調波の発生源の大きさは約1マイクロメートルであることを測定した。コヒーレンス測定には、高分解能のLiF検出器と狭帯域の周期性のMo/ Si多層ミラー(13.9nm)を使用した。 現在、コヒーレンス分析(マルチスリットによる高次高調波(波長13.9nm光の干渉縞データ)のためのデータ解析を行っている。また、本年度中に3チャンネルの平面結像型軟X線分光器について、使用する準備ができた。 以上のように研究計画は、概ね予定通り達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の主な目的は、得られた実験結果のデータ解析、および新しい高次高調波発生理論の構築である。現在、原著論文の執筆、および国際会議(CLEO(招待講演)2013年6月9-14日、サンノゼ(USA)とSPIE(招待講演)(X-Ray Lasers and Coherent X-Ray Sources: Development and Applications X" (a part of the SPIE Optics and Photonics) 2013年8月25-29日、サンディエゴ(USA))での成果発表を予定している。また、昨年度までに発見した、コヒーレントスパイクによる高次高調波発生の追加実験データの取得も目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成果報告のための外国出張2件の旅費。(米国2件、CLEO(6月サンノゼ)、SPIEコンファレンス(8月サンディエゴ) 追加データ取得のための実験消耗品。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Ultra-Intense, High Spatio-Temporal Quality Petawatt-Class Laser System and Applications2013
Author(s)
H. Kiriyama, T. Shimomura, M. Mori, Y. Nakai, M. Tanoue, S. Kondo, S. Kanazawa, A. S. Pirozhkov, T. Zh. Esirkepov, Y. Hayashi, K. Ogura, H. Kotaki, M. Suzuki, I. Daito, H. Okada, A. Kosuge, Y. Fukuda, M. Nishiuchi, M. Kando, S. V. Bulanov, K. Nagashima, M. Yamagiwa, K. Kondo, A. Sugiyama, P. R. Bolton, S. Matsuoka, and H. Kan
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Journal Title
Applied Sciences
Volume: 3(1)
Pages: 214-250
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] High performance imaging of relativistic soft X-ray harmonics by sub-micron resolution LiF film detectors2012
Author(s)
T. Pikuz, A. Faenov, A. Pirozhkov, A. Astapov, G. Klushin, S. Pikuz, N. Nagorskiy, S. Magnitskiy, T. Esirkepov, J. Koga, T. Nakamura, S. Bulanov, Y. Fukuda, Y. Hayashi, H. Kotaki, Y. Kato, and M. Kando
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Journal Title
Physica Status Solidi C
Volume: 9(12)
Pages: 2331-2335
DOI
Peer Reviewed
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