2012 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ時間領域分光法による弱い相互作用と分子間振動の動的構造の解明
Project/Area Number |
23750009
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山本 晃司 福井大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70432507)
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Keywords | テラヘルツ / 物理化学 / ダイナミクス |
Research Abstract |
弱い水素結合の存在を明らかにするために、DMSO/シクロヘキサン系をテラヘルツ時間領域分光法と中赤外吸収分光法を用いて実験を行った。中赤外吸収領域のS=O伸縮振動バンドの観測から、溶液中において単量体と2量体のDMSOの存在を明らかにし、密度汎関数法を用いた量子化学計算からDMSOの2量体形成の妥当性をしめした。これらの結果を踏まえて、テラヘルツ領域にDMSOの2量体による吸収バンドが存在することを明らかにした。 枝分かれ構造を持つ飽和炭化水素液体に対して、テラヘルツ時間領域分光法で得られたテラヘルツ領域のスペクトルの吸収では、枝分かれ位置と構造に依存した就周波領域の吸収が観測された。この分子構造との相関に関して、MDシミュレーションを用いて調べた。MDシミュレーションから、環状になると振動的振る舞いが現れ、テラヘルツ領域にブロードなスペクトル形状を与えることが示唆された。ただし、直鎖アルカンの枝分かれ構造に依存したテラヘルツ誘電スペクトルの差異は、現時点では再現することができなかった。今後、量子化学計算によって、力場を改良したMDシミュレーションを行う必要があることが示唆された。
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Research Products
(13 results)