2012 Fiscal Year Annual Research Report
波長可変深紫外極短パルスを用いた高速光化学反応の時間分解光電子イメージング
Project/Area Number |
23750012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀尾 琢哉 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40443022)
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Keywords | 超高速分光 / 光電子分光 / 励起状態ダイナミクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、深紫外領域(200 - 300 nm)において波長可変な極短パルス光源を開発し、時間分解光電子イメージングの励起光に応用することで、分子の高速光化学反応を実時間で追跡することである。 前年度に既報のフィラメンテーション四光波混合により、中心波長が157 nm (光子エネルギー = 7.9 eV)の真空紫外光パルスが発生されたことから、この真空紫外光パルスを本研究における検出(イオン化)光として積極的に利用することを試みた。検出光の波長が当初計画していた200 nmよりも短波長化されることで、電子励起状態の分子の光電子スペクトルを広いエネルギー範囲(一般的な分子に対しては3 - 4 eV)で測定することが可能となり、波長可変光源と組み合わせることで、当該分野において大きなブレークスルーとなりうる。本年度は、波長可変光源のR&Dと平行して、真空紫外光パルスを光電子イメージング装置に導くため、既存の差動排気システムの整備を行った。さらに、深紫外光パルス(中心波長 264 nm)と真空紫外光パルスのポンプ-プローブ実験のセットアップを構築した。既にキセノンの非共鳴二波長二光子イオン化信号による相互相関関数の測定に成功しており、真空紫外光を検出光とする時間分解光電子イメージング法に成功したと言える。今後、深紫外領域の波長可変光源を励起光に、真空紫外光を検出光にすることで、分子の電子励起状態における多次元の核波束ダイナミクスを明らかにしていく予定である。
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