2012 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイドな電子状態の変調を指向した芳香族・反芳香族性デヒドロアヌレンの開発
Project/Area Number |
23750033
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
加藤 真一郎 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70586792)
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Keywords | デヒドロアヌレン / パイ電子系 / 超分子構造 / 反芳香族性 |
Research Abstract |
sp-sp2混合混成炭素共役系であるデヒドロアヌレンに縮合多環構造が縮環した化合物の合成と諸物性の検討を遂行した。具体的には,フェナントレンが9,10位で縮環したデヒドロアヌレン類を設計・合成した。金属触媒を用いたカップリング反応を鍵反応として,デヒドロ[12], [18],及び[24]アヌレンの合成を達成し,これらの物性を詳細に検討した。その結果,各種スペクトル測定と理論計算により,フェナントレンが縮環した化合物は,対応するデヒドロベンゾアヌレンと比較して高いトロピシティーと小さなHOMO-LUMOギャップを有することが明らかになった。また,濃度可変NMR測定から,フェナントレンの縮環に伴うパイ共役平面の拡大に由来する自己会合特性の発現が確認された。更に,芳香環およびアルコキシ鎖同士の相互作用に起因する一次元ナノ・マイクロファイバーの形成,液晶相の発現などの特異な自己集合挙動が見出された。興味深いことに,ナノ・マイクロ超構造体のモルフォロジーと結晶性は,デヒドロアヌレン環のトポロジーとアルコキシ側鎖に大きく依存することが,SEMおよびWAXD測定により明らかになった。液晶相の発現においてはアルコキシ鎖の長さが重要な因子であり,適切な長さの場合に,芳香環とアルコキシ鎖の相分離が誘起されることが分かった。アルコキシ鎖が短いデヒドロ[12]アヌレン誘導体については単結晶X線構造解析に成功し,J会合様式の集積構造が見出された。
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[Journal Article] Tetraalkoxyphenanthrene-Fused Dehydroannulenes: Synthesis, Electronic, Optical, and Electrochemical Properties, and Self-Assembly2013
Author(s)
Shin-ichiro Kato, Nobutaka Takahashi, Hidekazu Tanaka, Atsushi Kobayashi, Toshitada Yoshihara, Seiji Tobita, Takeshi Yamanobe, Hiroki Uehara, Yosuke Nakamura
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Journal Title
Chem. -Eur. J.
Volume: 未定
Pages: 掲載確定
Peer Reviewed
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[Journal Article] pi-Extended Thiadiazoles Fused with Thienopyrrole or Indole Moieties: Synthesis, Structures, and Properties2012
Author(s)
Shin-ichiro Kato, Takayuki Furuya, Atsushi Kobayashi, Masashi Nitani, Yutaka Ie, Yoshio Aso, Toshitada Yoshihara, Seiji Tobita, Yosuke Nakamura
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Journal Title
J. Org. Chem.
Volume: 77
Pages: 7595-7606
DOI
Peer Reviewed
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