2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23750035
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
前田 優 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10345324)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 化学修飾 / 分子変換 |
Research Abstract |
種々の分子構造を有するハロゲン化アルキルによるSWNTsの還元的アルキル化反応を検討し、アルキル基の立体構造に基づきSWNTsのアルキル基化学修飾率が制御できることを見いだした。官能基変換に有効な置換基として、ヒドロキシ基を保護したハロゲン化アルキルによるSWNTsの機能化を行った。本法では、アルキル基の置換基効果によりSWNTsの化学修飾率を制御して機能化することができるばかりではなく、導入したヒドロキシ基を利用した段階的な機能化を行うことができる。理論計算により、シリル基の導入によりSWNTsのバンド構造を効果的にチューニングできることを見出し、光ケイ素化反応によりケイ素化することでFETや電界放出特性が大きく影響を受けることを明らかにしている。還元的シリル化反応では、化学修飾率を置換基効果により制御しケイ素化ができることを明らかにした。 SWNTsへの異なる官能基の導入は、複数の機能を付与するために有効な機能化法であるが、その報告例は少ない。原因の一つに、導入する官能基の割合の制御が困難であること、また、導入した官能基毎の化学修飾率の評価法が確立されていないことが上げられる。そこで、二段階アルキル化反応により合成したR-SWNTs-R’の化学修飾比率について、Ramanスペクトルおよび熱重量分析によりそれぞれ分析し、その相関関係より明らかにした。この相関関係を用いて、式量の異なる官能基を導入したR-SWNTs-R’の化学修飾率および導入官能基の比率を明らかにする新規な評価法を開発した。 酸素雰囲気下におけるSWNTsと有機硫黄化合物のカイラリティ選択的光反応を開発した。種々の分析により、SWNTs表面への酸化反応が光誘起電子移動を経て進行していることを明らかにした。SWNTsの光化学反応性の理解に資することができ、SWNTsの特性制御法として活用し得る。
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Research Products
(10 results)