2013 Fiscal Year Annual Research Report
メリライト型化合物を中心とした新規低次元物質の合成と物性解明
Project/Area Number |
23750052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土井 貴弘 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20359483)
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Keywords | メリライト / 複合アニオン化合物 / 低次元磁性 / 磁気秩序 / d-f電子間磁気相互作用 / 磁気フラストレーション / マルチフェロイック / 光学的性質 |
Research Abstract |
本課題では層状構造を持ち、組成の自由度の極めて高いメリライトA2MM'2X7を中心として、関連する低次元化合物の新物質合成を行った。さらに、組成と結晶構造を決定し、磁性を中心とした物性評価・解析を行い、この化合物群の構造と物性の相関に関する系統的な知見を得て、それを元にさらなる新物質探索を継続し、成果を得た。 【AnMTeO6(n=1,2;A=Na,ランタノイド;M=遷移金属)】新たな層状酸化物の合成に成功し、その構造中でハニカム配列を有するカチオン間の秩序/無秩序配列とそれに伴う結晶対称性の変化、さらに、希土類の4f電子と遷移金属のd電子とのd-f電子間磁気的相互作用により特異な磁気的挙動を示すことを見出した。 【希土類-遷移金属ホウ酸塩】オキソ酸をアニオンとして持つ、ホウ酸塩RCr(BO3)2の構造と磁性を明らかにした。この物質の構造が、従来のLn3+、Cr3+が秩序化配列した理想的なドロマイト構造ではなく、そのイオン半径差にもかかわらずアンチサイトディスオーダーを引き起こしていることを明らかにした。さらに、この研究を元に研究を展開し、一次元構造を持つホウ酸塩の新規合成にも成功した。 【四元系酸化物Ba3LnFe2O7.5(Ln=ランタノイド)】Ba3LnFe2O7.5の構造と磁気的性質を明らかにした。この物質は導入する希土類のイオン半径によって結晶系が大きく異なるが、その中で斜方晶/単斜晶の構造相転移が酸素欠損量の違いによって引き起こされることを明らかにした。また、その両者で磁化率の挙動が大きく変化する事を発見し、欠損する酸素サイトとFeイオン間の超交換相互作用経路の観点から、その原因を解明にすることに成功した。
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Research Products
(9 results)