2013 Fiscal Year Annual Research Report
GARIS直結型ガスクロマトグラフ装置を用いた超重元素の気相化学
Project/Area Number |
23750072
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
羽場 宏光 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, チームリーダー (60360624)
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Keywords | 超重元素 / 超アクチノイド元素 / 単一原子化学 / 気体充填型反跳核分離装置 / 気相化学 / ガスクロマトグラフ装置 / シーボーギウム / ドブニウム |
Research Abstract |
平成25年度は,前年度までにGARISガスジェット搬送装置と回転式連続α線測定装置を用いて行った248Cm(19F,5n)262Db実験の結果を詳細に解析し,105番元素Dbの化学実験の対象となる262Dbの壊変特性を決定した.さらに,超重元素のカルボニル錯体の合成とその気相化学分離を目指し,AVFサイクロトロンに開発した一酸化炭素ガスジェットを用いて,Zr,Mo,Tc,Rh,Pd,Ag,W,Re,Osなどの様々な元素のRIを製造し,それらのカルボニル錯体のオンライン合成試験を行った.Wのカルボニル錯体W(CO)6の生成を確認し,等温石英カラムを用いてW(CO)6の吸着エンタルピーを取得した.さらに,ヘルムホルツ研究所マインツ,ドイツ重イオン研究所,マインツ大学,日本原子力研究開発機構,ベルン大学,ポールシェラー研究所,中国科学院近代物理研究所,カリフォルニア大学バークレー校,ローレンスバークレー国立研究所,埼玉大学との国際共同研究の下,248Cm(22Ne,5n)265Sg反応によって265Sgを製造し,GARISガスジェットを用いて265Sgのカルボニル錯体を合成し,その揮発性を低温ガスクロマトグラフ装置を用いて調べた.その結果,Sgが同族元素のMoやWと同様に揮発性のカルボニル錯体Sg(CO)6を形成することが分かった.また,Sg(CO)6のSi検出器表面(SiO2)に対する吸着エンタルピーを取得し,相対論分子軌道計算との比較を行った. 本研究で開発した気相化学分析手法では,超重元素を重イオンビームや副反応生成物から質量分離した後に化学分析でき,極低バックグラウンド下で放射線計測を行える.また,ビームがGARISによって分離されるため,GARIS直後に錯形成部を配置でき,エアロゾル物質を使用せずに高効率かつ迅速に錯形成とクロマトグラフ分析を行うことができる.有機系の錯形成試薬もビームに破壊されることなく初めて使用可能となり,対象とできる超重元素化合物の種類を飛躍的に増大できる.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Production of 262Db in the 248Cm(19F,5n)262Db reaction and decay properties of 262Db and 258Lr2014
Author(s)
H. Haba, M. Huang, D. Kaji, J. Kanaya, Y. Kudou, K. Morimoto, K. Morita, M. Murakami, K. Ozeki, R. Sakai, T. Sumita, Y. Wakabayashi, A. Yoneda, Y. Kasamatsu, Y. Kikutani, Y. Komori, K. Nakamura, A. Shinohara, H. Kikunaga, H. Kudo, K. Nishio, A. Toyoshima, and K. Tsukada
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Journal Title
Phys. Rev. C
Volume: 89
Pages: 024618
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Production of 88Nb and 170Ta for chemical studies of element 1052013
Author(s)
M. Huang, M. Asai, H. Haba, D. Kaji, J. Kanaya, Y. Kasamatsu, H. Kikunaga, Y. Kikutani, Y. Komori, H. Kudo, Y. Kudou, K. Morimoto, K. Morita, M. Murakami, K. Nakamura, K. Ozeki, R. Sakai, A. Shinohara, T. Sumita, K. Tanaka, A. Toyoshima, Y. Wakabayashi, and A. Yoneda
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Journal Title
RIKEN Accel. Prog. Rep.
Volume: 46
Pages: 244
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