2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23750083
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 宏和 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80462696)
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Keywords | メチル化塩基 / メチル化部位分析 / 抗体 |
Research Abstract |
微生物におけるメチル化DNA塩基種としては,5-methylcytosine,N6-methyladenine,およびN4-methylcytosineの3種が挙げられる.本研究では,DNAメチル化部位の汎用的分析手法の開発を目的とし,分析手法各種(A:免疫沈降/PCR法,B:被メチル化プラスミドライブラリー/HPLC法,C:被メチル化プラスミドライブラリー/ウェスタンブロット法)を設計した. 平成24年度では,メチル化塩基を導入したリンカーを用いた手法Aを検討した.低頻度N6-methyladenineをもつ大腸菌(HsdM+)染色体のメチル化サイトを分析したが,有意に検出することはできなかった. 次に手法Bを検討した.プラスミドライブラリーを大腸菌JM110(HsdM+)から回収し,デオキシリボヌクレオシドにまで分解した後,逆相HPLCで分析した.AdenineあたりのN6-methyladenineモル比を計測し,理論値と比較したところ,理論値と実測値が一致するものもあったが,全体的には誤差が大きかった.プラスミド純度の影響が大きく,コストパフォーマンスや簡便性の点から手法Bの実用性は低いと結論した. 次に手法Cを検討した.プラスミドDNAをメンブレンにアルカリブロットし,抗N6-methyladenine抗体を用いて検出した.陰性対照のスポットにも若干のシグナルが得られたが,有意なシグナルが得られた.更にシグナル強度はメチル化部位の数に依存した.条件検討によりS/N比の改善は可能と考えられ,手法Cは,従来法では解析が困難であったI型制限修飾系のメチル化部位の解析法に繋がると期待できる.
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