2013 Fiscal Year Annual Research Report
高速液体クロマトグラフィーのためのキャリブレーションフリーな検出法の開発
Project/Area Number |
23750089
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大平 慎一 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (60547826)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / キャリブレーションフリー / 電荷量検出器 / 緩衝溶液ジェネレータ / pHグラジエント |
Research Abstract |
前年度から取り組みを開始したpH緩衝溶液発生器では,生成した緩衝溶液のpHを発生器における印加電圧にフィードバックして制御することでよりpHを安定させることに成功した。特に,定電流による生成では困難であった緩衝能の低いpH域における再現性と精度を大きく向上できた。現在,クロマトグラフィーにおけるpHグラジエント分析のための溶離液生成法としての検証を進めている。 一方,有機化合物の酸化・気化・捕集によるキャリブレーションフリーな検出法の開発については,捕集後の検出部について種々の検討を行った。これまで検討してきた電荷量検出器による絶対量分析では,高感度検出には前段において吸収液を中和する必要がある。電場による陽イオンの置換に基づく小型の電解型サプレッサーを自作して組み込んだがピークのテーリングが大きくなる点が問題であった。そこで,高感度なCO2センサーによる検出を検討した。一般にCO2の検出は非分散型赤外吸収法が用いられるが,本法の場合,水分で飽和した試料ガスであるため,不適である。そこで,固相表面にガス成分を捕集し,その場で検出することで高感度に検出するガスセンサーを検討した。高いガス貯蔵性を持つ多孔性金属錯体は,中心金属と配位子により立体的な多孔質構造をとる。この多孔性金属錯体を感応剤とするガスセンサーの検討を現在進めている。今後,CO2センサーの評価を進め,酸化・気化機構と組み合わせることで,有機化合物のキャリブレーションフリーな検出法を確立していく。
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