2012 Fiscal Year Annual Research Report
生物希少資源が不要な酵素増幅型エンドトキシン検出法の開発
Project/Area Number |
23750094
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 大 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (80533190)
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Keywords | エンドトキシン / ナノカーボン / 電気化学分析 |
Research Abstract |
従来、高価なリムルス試薬を必要とするエンドトキシン(ET)の計測を、ET認識分子を修飾したナノカーボン電極と、第二のET認識基と電気化学活性基からなるET認識メディエーターの応答を増幅する測定技術を利用することで、安価にかつ高感度にETを電気化学検出する方法の実現を目的とする。このために、下記の研究課題を実施した。 1.電気化学ET測定系の構築(H23-24):ETの認識・濃縮を行う反応場をナノカーボン電極上に構築するため、①牛血清アルブミンと認識分子を混合架橋した膜を電極上に成膜する物理的固定、および②ナノカーボン表面と認識分子を直接架橋可能な二官能性リンカーによる化学的固定を検討した。また、ET認識メディエーターとして、ET認識分子であるポリミキシンB(PMB)に、①酵素ALPを標識したALP-PMB、②フェロセン(Fc)を標識したFcPMBの二種類を開発した。以上、得られた修飾ナノカーボン電極・PMB標識メディエーターの組合せから成る測定系において、メディエーターのFc、並びにALPの酵素反応生成物であるPAPの酸化電流が電極表面に吸着したET濃度に比例すること、かつ還元剤(鉄(II)イオン)を添加すると酸化されたFc、PAPが還元され、得られた信号がリサイクリング効果によって増幅することを確認した。その結果、ET検出感度(2ng/mL)を達成した。 2.測定系のフローシステム化(H24):マイクロ流路と電気化学測定を組合せたマイクロフローシステムを開発した。シリコン基板上にパタンスパッタしたナノカーボン電極とポリジメチルシロキサンからなる流路を貼合せることで、マイクロ流路を形成した。十分な送液と電気化学測定が可能となる流路デザインを検討した結果、流路幅1.2mm、高さ40μmのマイクロ流路において、ET測定で用いる上記PAPを感度良く測定できることを見出した。
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