2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23750098
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 信也 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80570142)
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Keywords | ナノポーラス金属 / 固体金属触媒 / 脱合金 / パラジウム / カップリング反応 / 金 / 酸素酸化 / 化学選択性 |
Research Abstract |
【最終年度の研究成果概要】 本年度は,ナノポーラスAu(AuNPore)を触媒とするタンデム反応による酸化的アミド合成法の開発について検討し,次の成果を得た.(1)メタノールとアルキルアミンから酸素酸化により一段階でホルムアミドを合成する手法を確立した.メタノールとアルキルアミンの混在下で,メタノールのみを選択的に酸化することができ,良好な収率で望みのホルムアミドを得ることができた.(2)本反応は1気圧の酸素雰囲気下60 °Cという既存の手法(5気圧100 °C)より遥かに穏やかな条件で進行し,触媒は再利用することができた.(3)反応の進行にはAuNPore中に残存するAgの存在が鍵であることを比較実験およびXPSにより明らかとした. 【研究期間全体の研究成果概要】 二元あるいは多元合金からの脱合金により作製したナノポーラス金属を触媒とするカップリング反応および化学選択的酸化反応の開発を行った. 初年度は,まずナノポーラスPdを用いた鈴木カップリングおよびHeck反応を開発した.本触媒は,担体・安定化剤・配位子といった添加剤は必要としない点で微粒子触媒にはないナノポーラスならではの特長を見出すことができた.また,反応後のPd溶出量をICP-MSで測定したところ,本触媒は市販の固体Pd触媒であるPd/Cよりも溶出の少ない耐久性に優れた触媒であることが分かった.金属種の溶出の抑制に焦点を当てて研究を進めたが,有機Pd(II)種の発生が宿命であるカップリング反応においてはPd種の溶出は不可避であるとの結論に至った.そこでAuNPoreによる選択的酸化反応へとエフォートをシフトし,種々検討の結果,上記成果を得た.以上のように,本触媒はナノ多孔質化されたバルクサイズのモノリス金属であるため,回収再利用性に優れ,凝集不活性化の懸念がない新規固体金属触媒材料として機能することを見出した.
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Research Products
(3 results)