2013 Fiscal Year Annual Research Report
らせん構造を反応場構築の鍵とする高分子不斉触媒の開発
Project/Area Number |
23750123
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯田 拡基 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30464150)
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Keywords | キラリティ / らせん構造 / 光学活性 / 高分子 / 超分子 |
Research Abstract |
本研究では、複数の官能基や触媒を空間特異的に一方向巻きのらせん状に配列制御させることにより、多点での協奏的な相互作用とらせんキラリティに由来した特異な触媒活性や不斉選択性を発現するらせん高分子不斉触媒の開発を目指して検討を行い、以下に示す成果を得た。 1)シンコナアルカロイド誘導体を側鎖に導入した種々のポリフェニルアセチレンを新たに合成し、それらが不斉ヘンリー反応や不斉アザマイケル反応の良好な高分子不斉触媒として働くことを明らかにするとともに、光学分割材料としても応用できることを見出した。 2)天然由来のリボフラビン(ビタミンB2)誘導体を主鎖骨格に有する高分子がらせん状会合体を形成し、らせん構造に由来する不斉触媒能を発現することを明らかにした。また、得られたリボフラビン含有高分子のフィルムが、一級・二級アミン蒸気を化学・不斉選択的に分子認識し、色および蛍光変化をもたらすセンシング材料として応用できることを見出した。 3)スピロボレート構造で架橋されたポルフィリン部位を有する光学活性な二重らせん分子を合成し、ポルフィリン間に生じた内部空孔に電子欠乏型芳香族分子を極めて強固に包接することを見出した。また、ゲスト分子の包接に伴い、一方向向きの主鎖のねじれ運動とポルフィリン環の回転運動が連動して起こり、興味深いキラルな分子運動素子として働くことを明らかにした。
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Research Products
(28 results)