2011 Fiscal Year Annual Research Report
力学応答性高分子複合体の動的らせん形成を利用する生体内応力の検出
Project/Area Number |
23750139
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Research Institution | (財)九州先端科学技術研究所 |
Principal Investigator |
白木 智丈 九州先端科学技術研究所, ナノテク研究室, 研究員 (10508089)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | らせん / 多糖 / 共役高分子 / 超分子 / 包接 / 刺激応答性 / 力学応答 |
Research Abstract |
微小領域で発生する力を検出・測定できるナノ材料は、細胞中で働く力や動き及びその作用を分析する手法への応用が考えられため、細胞の分化などの生命現象の解明や癌医療・再生医療に貢献する新技術を創出することが期待される。本研究では、超分子化学的手法により独自に開発した刺激応答性らせん状高分子複合体の創製技術を利用し、新たに外力によって光学特性変化を導くことを原理とする力学応答性プローブの開発を進めている。今回、開発に成功した技術を以下に記す。 1.高発光効率を示すプローブの創製:従来、ポリチオフェン誘導体などの一般に量子収率の低い共役高分子とらせん多糖との複合化に成功していたが、量子収率の高いポリフルオレン誘導体との複合体は得られていなかった。今回、主鎖骨格を新たにデザインしたポリフルオレン誘導体を合成した結果、らせん多糖との複合化が可能となり、量子収率が水中で0.7を超えるプローブを得ることに成功した(従来系では0.04程度)。 2.プローブと高分子マトリックスとの複合化法の開発:延伸などの力学作用に対する応答性を評価するために、プローブを高分子マトリックス中に分散・固定化したフィルム等を作製した。ここでは、クリックケミストリーの利用により、プローブにポリエチレングリコール鎖やポリNイソプロピルアクリルアミド鎖などを任意の割合で導入できる技術を開発した。その結果、プローブが均一に分散性した製膜性の良いフィルムを調製できることを確認した。現在、力学刺激に対する応答性について検証を進めている。 以上のように、多様な分子設計が可能な本刺激応答性高分子複合体は、本研究目的である細胞に利用可能な力学応答性プローブをはじめとして、種々のナノスマートマテリアルを開発するために有用な新素材となりうることを見出した。
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Research Products
(5 results)