2014 Fiscal Year Annual Research Report
平面型新規アリールホウ素化合物の構造と光化学特性に関する研究
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23750141
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
作田 絵里 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (80554378)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 光化学 / 典型元素 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は典型元素を利用した新規芳香族系化合物の構築とその応用を目的として研究を進めてきた。特に本研究ではホウ素原子を含む、新たな立体構造を制御したパイ電子系化合物を創出するとともに、その光化学特性の検討を行う。本研究を遂行するに当たり、次の3つの大きなテーマを柱に展開してきた。 ①電子供与基を有する新規トリアリールホウ素化合物の創出 ②アリール基を連結した新規トリアリールホウ素化合物の創出 ③剛直な平面系に固定したアリールホウ素部位を有する新規化合物の創出 これらの新たなアリールホウ素化合物群の創出および光化学特性の検討を行うことで、最終的には平面型アリールホウ素化合物の特徴や典型元素群の電子状態を生かした機能性化合物群の創出を目指す。これらの結果を元に、典型元素の特性を生かした分子設計および化合物の設計指針を得る。 本年度は最終年度であり、前年に掲げた、平面性を持ったアリールホウ素化合物群を創出すべく光機能性材料としてアゾベンゼン系化合物群に着目し、化合物の合成および光機能性の検討を行った。アゾベンゼンの各3位にアリールホウ素置換基およびジフェニルアミノ基を有する化合物群の合成およびそれらの光化学特性に関する検討を行った。合成は低収率ながらも、目的とする化合物が得られ、それらの光機能性を検討した結果、本来、蛍光を示さないアゾベンゼン誘導体が蛍光を示すことを見出した。しかしながら、可視光および紫外光照射による、可逆的な光異性化反応は見られず、トランス体を形成する際に何らかの安定した化合物となってしまうことがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Synthesis of Yellow and Red Fluorescent 1,3a,6a-Triazapentalene and Theoretical Investigation of Optical Properties2015
Author(s)
K. Namba, A. Osawa, A. Nakayama, A. Mera, F. Tano, Y. Chuman, E. Sakuda, T. Taketsugu, K. Sakaguchi, N. Kitamura, K. Tanino
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Journal Title
Chemical Science
Volume: 6
Pages: 1083-1093
DOI
Peer Reviewed
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