2012 Fiscal Year Annual Research Report
高効率ケイ素型光増感色素を用いた近赤外光応答トリプルターゲティング癌治療薬の創製
Project/Area Number |
23750145
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀内 宏明 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00334136)
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Keywords | 光機能物質 / 光線力学療法 / 光増感剤 / 一重項酸素 |
Research Abstract |
本研究課題ではナノサイズのドラッグキャリアと光増感剤をオレフィンユニットにより連結し、近赤外光を吸収した光増感剤によって発生する一重項酸素を利用してキャリアから光増感剤を放出させるシステムの構築を目指している。 これに対し本年度は、1.一重項酸素によるオレフィンユニットの解離効率の評価、おおよび2.近赤外用光増感剤の高効率化、を行った。 1.光増感剤とオレフィンユニットの連結分子を合成し、一重項酸素の光増感によるオレフィンユニットの光解離を試みた。合成した化合物に光照射を行ったが、オレフィンの光開裂は観測できなかった。光開裂反応は一重項酸素とオレフィンの二次反応であるため、開裂反応を引き起こすためには、非常に高い試料濃度および強い光源が不可欠であることがわかった。生体内でこれらの条件を満たす事は困難であるため、光照射によって発生する一重項酸素がオレフィンと反応しやすくなる新しいシステムを検討中である。 2.我々が高効率化したシリルポルフィリンを元に、光吸収効率の改善を目指してシリルベンゾポスフィリンを合成した。50 nmの長波長シフトと1.5倍の分子吸光係数の増大に成功した。ポルフィリンからベンゾポルフィリンにすることにより一重項酸素の生成量子収率は0.72から0.47に、細胞による取り込み効率は0.49 mol/gから0.42 mol/gに微減してしまったが、光吸収効率の向上により培養がん細胞に対する光線力学活性は約13倍に向上することを明らかにした。また光吸収効率を改善する別のアプローチとして、シリルクロリンも検討した。クロリンにすることにより分子吸光係数は約7倍に増加した。一重項酸素の生成量子収率は0.89倍に低下してしまったが、光吸収効率の改善により光線力学活性は3.4倍に向上した。
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[Presentation] Photochemically-induced Protein Crystallization2012
Author(s)
T. Okutsu, T. Kuroiwa, K. Kobayashi, T.Taguchi, Y. Takase, S. Haruta, T. Yamashita, H. Imai, Y. Ishikawa, H. Horiuchi, H. Hiratsuka
Organizer
Japan-Netherlands Symposium on Crystal Growth -Theory and In-situ Measurements-: JaNe2012
Place of Presentation
Sendai
Year and Date
20120722-20120728