2013 Fiscal Year Annual Research Report
動的共有結合を活用した相補的オリゴマー合成法の開発
Project/Area Number |
23750151
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 公輔 東京工業大学, 理工学研究科, 特任助教 (30579313)
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Keywords | 動的共有結合 |
Research Abstract |
前年度まで、主鎖がメチル基修飾されたトリボロン酸とテトラオールを利用していたが、反応生成物のボロン酸エステルの溶解性が低いため解析が困難であるという問題点があった。そこで、メチル基を長鎖アルキルに置き換えた主鎖を持つトリボロン酸とテトラオールを合成し、ボロン酸エステル形成反応を検討した。様々な反応溶媒、添加物を検討したが、メチル基の場合と同様に不溶性の沈殿物を与えることが多く、オリゴマー混合物と思われる重クロロホルムに溶解する生成物を得ることはあったが、単一の生成物を得ることはできなかった。これは、主鎖に導入された長鎖どうしの立体反発により、ボロン酸やジオール部位が同一方向を向かない配座が優先されたためと考えられた。そこでこれまで用いていたベンゼン環を1つのメチレン鎖で架橋したユニットから2つの鎖で架橋したユニットを利用することとした。また1,3ジオール部位の2位にメチル基を導入し、自由度を下げたジオール部位を用い、再度検討を行ったところ、オリゴマーに由来すると思われる重クロロホルムに可溶な沈殿物が得られた。しかしながら少量での検討であったため、所望の相補的オリゴマーかを判断するには至らなかった。現在大スケールでの原料合成を行っており、再現性も含め今後、詳細を検討していく予定である。本研究課題である、効率のよい相補的オリゴマー合成への実現に向けて本研究で得られた、「ユニットの自由度が生成物に及ぼす影響」の知見は有意義なものと考えられる。
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