2012 Fiscal Year Annual Research Report
核酸の蛍光誘導化反応による超効率的遺伝子シグナル増幅法の開発
Project/Area Number |
23750178
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 浩輔 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (70415686)
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Keywords | 生物有機化学 / 核酸関連化学 |
Research Abstract |
本研究では最終的に疾病の診断やテーラーメイド医療への応用を目指して、生体内の微量RNAを配列特異的に検出・定量し、細胞内外からの刺激に応じた小分子RNA(microRNA)の細胞内挙動を明らかにすることを目的としている。 昨年度はヘテロ環をもつ誘導体の合成、共役系を延長した誘導体の合成、さらにはこれらの試薬をヌクレオシドの水酸基に直接導入する方法について検討を行った。また、ヌクレオシドの塩基部に試薬の構造を取り入れる検討についても同様に行った。その中で、試薬の構造を塩基部とする合成に成功していた。 今年度はさらにこのものの誘導化を進め、ヨード化、チオールカップリング反応、ニトロ基の還元、保護基の脱着を経て、望みとするヌクレオシドホスホロアミダイト体を得ることに成功した。さらに、DNA自動合成機によりオリゴヌクレオチドを合成した。オリゴヌクレオチドの脱保護等について検討を行った結果、効率的に脱保護ができないことが明らかとなった。種々検討を重ねた結果、保護基についてはジルフィド結合型のものを用いることで解決可能であった。一方で、5-ホルミルウリジンもオリゴヌクレオチド中へと導入し、これらのオリゴヌクレオチドについて、テンプレート上での反応を検討した。しかし、予期に反して効率的な反応は進行しなかった。この理由については以下の様に考察している。試薬部アミノ基、チオール基と5ーホルミルウリジン部ホルミル基はテンプレート上で二本鎖の構造上重なり合うように近接する必要がある。当初の配列デザインでは両反応基は適切な相対配置にないと考えられた。そこで、コンピュータモデリングにより適切な配置を取るようにデザインをし直し、新たな配列にて反応の検討を行っているところである。デザインの結果より、試薬部を3'ー末端側に結合し、5ーホルミルウリジン部を5'ー末端側に結合することが重要であることが示唆された。
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Research Products
(8 results)