2011 Fiscal Year Research-status Report
生体分子の分子間相互作用における機械的力の大きさ測定
Project/Area Number |
23750183
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古澤 宏幸 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (60345395)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 酵素反応 / 分子機械 / 分子モーター / 生体分子 / 水晶発振子 |
Research Abstract |
本研究は、生体分子間相互作用観察装置に磁場発生装置を組み合わせ、センサー上で磁気ビーズを結合させた生体分子複合体に外部から引っ張る力を加えたときの挙動を観察することを行い、機械的に動く複合体の力学特性を明らかにすることを目的とする。具体的には、分子間相互作用を観察しながら同時に生体分子複合体に磁場による張力を加えることのできる装置を開発し、基板上での分子の挙動をモニターしながらメカニカルに動く分子の"力"を測定することを検討する。本年度は、磁場発生装置を組み合わせることのできる生体分子間相互作用観察装置の開発を行った。基板上の質量変化を振動数変化として検出することのできる水晶発振子マイクロバランス法を利用した生体分子間相互作用を質量変化として観察する装置を、水晶発振子基板上にアクセスしやすいように従来のバッチセル型とは異なるフローセル型に改良した。フローセル型水晶発振子装置でメカニカルに動く分子の挙動をモニターできることを確認するために、酵素反応としてDNAポリメラーゼの伸長反応の挙動やDNAリン酸化酵素のリン酸基付加反応挙動の観察を行い、それぞれ動力学解析ができることを確かめた。また、水晶発振子フローセル上に電磁石を取り付ける治具の開発と合わせて幾つかの電磁石を用意し発生する磁場の大きさと発熱との妥協点を検討した。一方、さまざまな大きさの磁気ビーズを入手し磁場により吸引が可能かどうか検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水晶発振子装置は、従来型ではバッチ式であり装置としては簡易で操作も容易であったが他のデバイスと組み合わせる上では自由度は低かった。開発が難しいと思われていたフローセル式の装置開発の目処がたったことから磁場発生装置との組み合わせに道筋をつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題として、水晶発振子装置と磁場発生装置との組み合わせた装置開発を検討するが、現在磁場発生装置の発熱が大きい点が問題点として上がっている。発生する磁場の大きさと発熱量は相関するため、必要とする発生磁場の大きさを見積もり不必要な発熱量の抑制を検討する、あるいは冷却装置の追加を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度の研究費の実支出額として残額が生じているが、研究の推進上年度末に購入した物品があったため経費の執行が次年度になったためであり、研究費の使用計画には変更はない。
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