2012 Fiscal Year Research-status Report
人工電子伝達蛋白複合体の構築と分子間電子移動メカニズムの化学
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23750190
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野尻 正樹 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20333346)
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Keywords | 電子移動 / 金属蛋白質 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
一般的に、溶液中フリーの蛋白質分子同士の電子伝達反応では、その電子移動反応が起こる際にそれら蛋白質同士で瞬間的(半減期:~ μsec)に準安定な複合体を形成し、その短いタイムスケール中に様々な電子移動メカニズムに関する反応・変化(例:蛋白分子構造の変化、酸化還元電位の変位の変化、等)がそれぞれの蛋白質間(内)で起こる。しかしながら、その半減期の短さから複合体状態のままで詳細にそれらの反応を解析することは非常に困難であるとされている。そこで、本研究では電子伝達パートナー同士を人工的に共有結合で結ぶことで安定な複合体を構築し、その複合体のX線結晶構造解析、酸化還元電位測定、そしてストップトフロー法等による電子伝達反応速度論的解析を行う事で、これまで未知の領域であった“蛋白質複合体形成時に起こる電子伝達メカニズム”についての新しい知見を得ることを目的とした。 平成24年度は、昨年度得られた結晶のX線回折データを収集し構造解析を行った。X線回折実験はSPring-8で行った。構造解析により得られた立体構造情報と基礎データ(電子移動速度や酸化還元電位)とを総合して詳細な分子間電子移動メカニズムの解析・解明を行った。現在、その解析途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究をおおむね計画通り遂行していく中で予想通りの結果と、それとは別に新たな知見も得られ、今後さらなる解析に期待が持てた。
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Strategy for Future Research Activity |
<人工電子伝達蛋白複合体のX線結晶構造解析と電子移動メカニズムの解明> 平成25年度は、平成24年度同様、まず平成23~24年度に得られた結晶のX線回折データを収集し構造解析を行う。構造解析により得られる立体構造情報と基礎データ(電子移動速度や酸化還元電位)とを総合して詳細な分子間電子移動メカニズムの解析・解明を行う。以上、三カ年で得られた結果をとりまとめ、成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、主に、消耗品とSPring-8を利用したX線回折実験のための旅費、そして成果発表(国際、国内学会発表など)のために使用することを計画している。
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[Journal Article] Structural and mechanistic insights into the electron-flow through protein for cytochrome c-tethering copper nitrite reductase2013
Author(s)
Tsuda, A., Ishikawa, R., Koteishi, H., Tange, K., Fukuda, Y., Kobayashi, K., Inoue, T., Nojiri, M.
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Journal Title
The Journal of Biochemistry
Volume: 153
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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