• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

細胞間情報伝達物質の蛍光イメージングを可能にする機能性核酸センサーの開発

Research Project

Project/Area Number 23750194
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

野中 洋  九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 特任助教 (80579269)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords機能性核酸 / アプタマー / センサー / 伝達物質 / 蛍光イメージング
Research Abstract

本研究の目的は、細胞膜上で行われる細胞間情報伝達物質の放出を分子レベルで可視化・解析するために、伝達物質の蛍光センシングが可能な核酸アプタマーセンサーを開発することである。細胞間で行われるドーパミンなどの伝達物質放出現象は生体において極めて重要な役割を担っている。この細胞間における情報伝達物質の放出・拡散過程は詳細にはわかっておらず、伝達物質の動態を分子レベルで可視化・解析することができれば未知の部分が多い細胞間情報伝達物質の作用の理解につながると考えられる。本研究では、試験管内進化法を用い代表的な細胞間情報伝 達物質に対する核酸アプタマーセンサーを開発し、これまで困難であった細胞間情報伝達物質の分子レベルでの動態解析に挑戦している。本年度は、既存のアプタマーセンサーであるATPアプタマーセンサーを用い、応答速度の評価、センサーの細胞への固定化法の検討、蛍光イメージング手法の検討をおこなった。その結果、ATP放出のタイムスケールを十分観測可能な応答速度を有していること、固定化法は脂質アンカー型の固定化が細胞種によらず効率が高いこと、高精度蛍光イメージングにより蛍光変化を検出できることが明らかとなった。開発した膜固定型アプタマーセンサーを用い、実際に中枢神経系に存在するグリア細胞より放出・拡散されるATPの蛍光イメージングをおこなった。機械的な刺激をうけたアストロサイトからのATP放出のリアルタイム蛍光イメージングに成功した。現在、観測されたATP放出現象のタイムスケールとATP放出が周囲の細胞に与える影響の詳細について検討をおこなっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的であった、細胞膜上で行われる細胞間情報伝達物質の放出を分子レベルで可視化・解析へ向け、本年度は、実際に細胞間で行われるATPなどの伝達物質放出現象を可視化・解析することに成功した。細胞間情報伝達物質の放出のイメージングへ向けた課題のいくつか(応答速度の評価、センサーの細胞への固定化法の検討、高精度蛍光イメージング)を解決することができた。これより、今後、特定の伝達物質に応答する蛍光アプタマーセンサーの開発に成功すれば、同様の手法・システムへ適用可能であり、基礎段階をクリアすることができたと考えている。

Strategy for Future Research Activity

本研究の目的である、細胞膜上で行われる様々な細胞間情報伝達物質の放出を分子レベルで可視化・解析へ向け、本年度は、実際に細胞間で行われるATPなどの伝達物質放出現象を可視化・解析することに成功している。今後、ATP以外の特定の伝達物質に応答する蛍光アプタマーセンサーの開発を進め、細胞間情報伝達物質の放出・拡散過程を分子レベルで可視化・解析することで、未知の部分が多い細胞間情報伝達物質の作用の理解につなげていきたいと考えている。具体的には、標的である伝達物質の対象種類の拡大と解析にむけて、試験管内進化法(SELEX)を行い様々な伝達物質のアプタマーの取得を試みる。取得したアプタマーを蛍光センサー化した後に、本年度の評価系に適用し、十分な応答速度が得られているか、蛍光変化は十分かなどの検討を行い、細胞間情報伝達物質の放出の蛍光イメージングに適用していく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費の使用計画としては、主に核酸購入費、試験管内進化法SELEXに必要な試薬および消耗品類、細胞実験や個体サンプル調整費、蛍光イメージングに関連する消耗品類に使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 核酸アプタマーによる細胞表層伝達物質リアルタイムモニタリング2012

    • Author(s)
      徳永 武士、並木 繁行、山田 雄大、今石 高寛、野中 洋、廣瀬 謙造、山東 信介
    • Organizer
      第92回日本化学会春期年会
    • Place of Presentation
      慶応大学日吉キャンパス
    • Year and Date
      2012年3月28日
  • [Presentation] 細胞表層における分子イメージングを指向した核酸アプタマーの応用2011

    • Author(s)
      徳永 武士、山田 雄大、今石 高寛、野中 洋、山東 信介
    • Organizer
      第5回バイオ関連化学シンポジウム
    • Place of Presentation
      つくば国際会議場
    • Year and Date
      2011年9月12日
  • [Presentation] Realtime imaging of chemical substances on cell surface using fluorescent aptamer sensor2011

    • Author(s)
      Hiroshi Nonaka, Takeshi Tokunaga, Katsuhiro Yamada, Takahiro Imaishi, Shigeyuki Namiki, Kenzo Hirose, Shinsuke Sando
    • Organizer
      The 38th International Symposium on Nucleic Acid Chemistry
    • Place of Presentation
      北海道大学クラーク記念センター
    • Year and Date
      2011年11月10日

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi