2013 Fiscal Year Annual Research Report
特異なパイ共役分子を基盤とする高効率有機薄膜太陽電池の開発
Project/Area Number |
23750223
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
安藤 伸治 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, 高効率次世代燃料電池プロジェクト, 研究員 (10525348)
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Keywords | 自己組織化 / 太陽電池 / 超分子化学 / 分子性固体 / 有機化学 / 電子供与体 / 電子受容体 / 有機半導体 |
Research Abstract |
本研究では、電子ドナー性および電子アクセプター性機能団の集積構造を分子レベルでデザインし、高性能な光電変換材料の創製を目指している。その一環として本年度は、昨年度開発したインダセンテトラオン骨格を有する電子アクセプター分子と、アルキル及びアルコキシ側鎖を導入した可溶性ビチオフェン骨格、ベンゾジチオフェン骨格及びフルオレン骨格を有する電子ドナー分子から構成される新奇なドナー/アクセプター型パイ共役系高分子化合物群を開発し、熱的安定性や光学特性、電気化学特性などの基礎物性調査と薄膜構造解析を行い、その薄膜状態のキャリア輸送特性とデバイスへの応用を評価した。その結果、サイクリックボルタンメトリーと紫外可視吸収スペクトル測定により、今回開発した高分子材料は、フラーレン誘導体と同様に高い電子親和性を有しながら、近赤外領域までの幅広い吸収を示し、電荷の生成と輸送に適した電子構造を持つことを明らかにした。また、示差走査熱量測定およびX線回折測定により、これら高分子材料は、強い分子間相互作用を有する結晶性の薄膜構造を取ることを見出した。さらに、レーザーフラッシュフォトリシス時間分解マイクロ波電動度測定法およびTime Of Flight法を用いて、溶液プロセスで作成した薄膜のキャリア移動度を検討したところ、アルキルフルオレン骨格およびアルキルビチオフェン骨格を有する高分子材料では、0.77および0.84 cm2/Vsという高い電子移動度が観測され、良好な光吸収特性を有する新奇な電子輸送材料の開発に成功した。
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