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2011 Fiscal Year Research-status Report

異方性二置換フラーレン誘導体およびその前駆体の開発

Research Project

Project/Area Number 23750232
Research InstitutionOsaka Municipal Technical Research Institute

Principal Investigator

松元 深  地方独立行政法人大阪市立工業研究所, その他部局等, 研究員 (50416301)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords合成化学 / 有機工業化学
Research Abstract

本研究では修飾基の置換方向が揃った異方性二置換フラーレン誘導体を得るため、その前駆体となるフラーレン化合物を開発することを目的としている。さらに、前駆体フラーレン誘導体を用いて実際に二置換フラーレン誘導体を合成し、電子材料などへの応用を行うことを目標としている。 本年度は研究実施計画に基づき、N-アミノフタルイミドを原料として前駆体フラーレン誘導体の合成を検討した。N-アミノフタルイミドから合成を行う方法としては、酢酸鉛を酸化剤として用いる手法が知られている。本研究ではこれを有機酸化剤に替えて検討を行い、従来よりも高い収率で目的のフラーレン誘導体を得ることが出来た。毒性や材料物性への影響が懸念される重金属を使用しないことはクリーンな合成法として意義が高い。また得られた前駆体フラーレン誘導体を用いて、二置換フラーレン誘導体を合成した。これを太陽電池へ適用し、本研究の前駆体が高性能な有機半導体の原料として有用であることを実証した。 次にN-アミノフタルイミド以外の3種のアミノ化合物を原料として前駆体の合成を検討したが、何れも低収率であった。またフローマイクロシステムによる合成を検討したが、顕著な効果は今のところ得られなかった。本年度導入した量子化学計算システムにより原料の電子密度を比較したところ、N-アミノフタルイミドとの差異が認められ、更に前駆体の収率を向上させるためには原料の綿密な選択、設計が必要であることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は目的とした前駆体の新規合成法の開発に成功し、電子材料として有用な二置換フラーレン誘導体の合成に成功したため、概ね計画を達成できたと判断できる。目標とした前駆体の生成収率はやや下回っているが、基質の検討、フローマイクロシステム合成などの検討により、基質の反応性に関する知見も得られており、更に収率を改善することが可能である。また量子化学計算を用いて基質の電子状態についての評価も行っており、前駆体設計に関する基礎的な知見も得られている。特に重金属を用いない合成法を見出し反応が容易になったことは、今後の基質の探索、反応条件の最適化を行う上で重要である。

Strategy for Future Research Activity

今後の方針としては、計算化学を利用して前駆体構造の最適化を行うと共に、光反応を利用した合成法を検討し、反応収率の向上を行う。得られた前駆体を用い、高収率で二置換フラーレン誘導体を得る手法を確立する。前駆体から二置換体を効率的に与える反応条件について検討を行い、計算化学手法を併用し効率的な反応溶媒、反応剤の探索を行う。また購入予定の分取カラムによってフラーレン誘導体を効率的に分離・精製し、基質適用範囲についても検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は二置換体の合成を検討するため、合成用器具、試薬類の購入に研究費を使用する。また、前駆体フラーレン誘導体、二置換フラーレン化合物の分離・精製を行うために分取カラムを購入し、高速液体クロマトグラフ装置において使用する。その他、論文作成、学会発表など成果発表費用として支出する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 有機薄膜太陽電池の高開放端電圧化に寄与するフラーレン誘導体の合成と物性

    • Author(s)
      松元深
    • Organizer
      第23回日本化学会春季大会
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学日吉キャンパス
    • Year and Date
      平成24年3月28日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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