2013 Fiscal Year Annual Research Report
無機-有機ハイブリッド層状結晶による次世代型リチウムイオン伝導体の創製
Project/Area Number |
23750246
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 建 東海大学, 理学部, 講師 (50376935)
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Keywords | ハイブリッド材料 / 層状結晶 / ポリ酸 / 界面活性剤 / 伝導性 |
Research Abstract |
平成25年度は、これまでに引き続き、タングステン、モリブデン、バナジウムのポリオキソ酸水溶液と界面活性剤溶液を用いたソフト溶液プロセスにより、ハイブリッド層状結晶を合成した。合成溶液のpH、生成した沈殿を結晶化する際の溶媒および温度を適切に選択することにより、新たに複数の新規構造を有するポリ酸-界面活性剤ハイブリッド層状結晶を単結晶として得た。 イオン液体系界面活性剤とポリモリブデン酸を用いると、ナトリウムイオンを層間に取り込んだハイブリッド層状結晶を合成できることを見出した。結晶化条件を制御することで、取り込まれるナトリウムイオンの数を制御できた。一方、ポリバナジン酸を用いると、リチウムイオンを結晶中に取り込んだハイブリッド層状結晶が合成でき、構造解析に成功した。 研究期間全体を通じて、10種以上の新規なポリ酸-界面活性剤ハイブリッド層状結晶の合成と構造解析に成功した。これまでに報告されているポリ酸-界面活性剤ハイブリッド層状結晶は、本研究の研究期間を通じて見出されたものを含めると、我々が報告したものが過半数を占めている。ナトリウムやセシウムといった金属イオンのみならず、リチウムイオンを層間に導入させたハイブリッド層状結晶を合成することにも成功した。 ポリモリブデン酸やポリタングステン酸を用いたハイブリッド層状結晶では、200℃以上で10-5 S cm-1オーダーの安定した電気伝導性を示すことを見出した。一方、ポリバナジン酸を用いると、プロトンを取り込んだハイブリッド層状結晶が合成でき、100℃以上の中温領域・無加湿条件下で10-4 S cm-1オーダーのプロトン伝導性が発現することを見出した。リチウムイオンを含むポリ酸-界面活性剤ハイブリッド層状結晶は、リチウムイオン伝導性固体電解質として期待される。
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Research Products
(3 results)