2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高速応答可能な液晶性環動ゲルアクチュエータの開発
Project/Area Number |
23750259
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
木戸脇 匡俊 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (80401230)
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Keywords | 液晶ゲル / 環動ゲル / ポリロタキサン / シクロデキストリン / 高分子液晶 / 液晶 / アクチュエータ |
Research Abstract |
本研究では液晶性を有するポリロタキサンとその架橋体を合成し、可動な架橋構造を有する新奇な液晶ゲルの合成とその応用を検討した。初めにポリエチレングリコール(PEG)とシクロデキストリン(CD)を用いてポリロタキサンを合成する。次に側鎖となる液晶分子を種々の長さのアルキルスペーサーを介してCDに結合することにより、可動な側鎖を有する高分子液晶を合成する。得られた液晶性ポリロタキサンを架橋させることで液晶性環動ゲルを得る。架橋には温度の選択が比較的自由な光架橋を利用する。得られた液晶性環動ゲルは、温度応答特性や電場応答特性を調べることでソフトアクチュエータとしての可能性を探る。 昨年度に引き続き、メソゲンの構造と液晶性との関係を調べるためにメソゲン化ポリロタキサンの合成を行うと同時に、液晶ゲルの合成と力学特性の測定を行った。メソゲン化ポリロタキサンの合成では、主鎖の配向と側鎖メソゲンの配向が一致するように、メソゲンの分子長軸を主鎖と平行になるように結合したSide-on型の合成を試みた。メソゲンには合成の容易さと光機能性の付与という観点からアゾベンゼン誘導体を用いた。Side-on型メソゲンのポリロタキサンへの修飾反応は、Head-on型に比べて修飾率が低くなった。これはSide-on型ではメソゲン間の立体障害が増加しているためと考えられる。また、液晶ゲルの合成では、ポリロタキサンを架橋剤として液晶モノマーの光重合を行い液晶環動ゲルを合成した。熱や電場に対するより大きな応答を期待して一軸配向した液晶ゲルを得るために、配向膜上での液晶環動ゲルの合成も試みた。架橋剤であるポリロタキサンに種々の置換基を導入し、低分子液晶溶媒との親和性を変化させることで液晶ゲルの膨潤度や粘弾性に変化が見られた。
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