2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23750260
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石井 淳一 東邦大学, 理学部, 講師 (30585930)
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Keywords | ポリイミド / 絶縁保護膜 / 低弾性率 / 難燃性 / 接着力 / モルフォロジー / 感光性 / ポジ型 |
Research Abstract |
本研究(電子基板用の絶縁保護膜の研究開発)において、無鉛半田実装温度260℃以上に耐える耐熱性、フレキシブルプリント基板の低反発特性、実装基板上に積層しても反りが生じず、残存歪によるクラックが発生し難い超低弾性率(0.1 GPa未満)、実装基板との優れた密着性(1 kgf/cm以上)、ハロゲン系難燃剤を使用せずとも樹脂単体で難燃規格(UL-94, V-0)を満たす不燃性を実現するための分子設計について知見を得ることに成功した。初年度の具体的な成果を説明する。低弾性率化は耐熱性の高いシロキサン結合を有する柔軟成分を導入しポリイミド(PI)一次構造を制御することでPIのモルフォロジーが変化(相分離構造)し、極めて低い弾性率0.015GPaのを実現することができた。実装基板(銅回路表面)との接着性もまた、PIの相分離を適度に制御することで1 kgf/cmと高い値を示した。このことは、シロキサン部位が相分離構造中の連続相になることで銅表面との密着性が向上し強固な接着力が発現したと考えられる。最終年度では、結合エネルギーの高いシロキサン結合の導入と難燃効果のあるリン元素含有モノマーを用いることで弾性率はやや高い(1.25GPa~0.28GPa)ものの最高レベル難燃性UL-94,V-0またはVTM-0規格をクリアすることができた。最後にポリイミドにアルカリ溶解性を付与し、アルカリ現像型の感光システム(ポジ型)を導入することで直径100μmのホールパターンを形成することが可能となった。以上の分子設計技術を応用展開することで、電子基板用の絶縁保護膜をはじめ、様々な電子デバイスの絶縁材料として応用が期待される。
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