2013 Fiscal Year Annual Research Report
硼酸塩材料の融液構造と結晶構造の原子間距離における相関性
Project/Area Number |
23760003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志村 玲子 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90420009)
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Keywords | 希土類ほう酸塩 / 光学材料 / X線異常散乱 |
Research Abstract |
光学材料として期待される希土類アルカリ土類複ホウ酸塩の高品質な単結晶を結晶融液成長で作製するための融液と結晶の特性に関して基礎的な解析を行うことを目的に、α相とβ相を持つと言われるA3RB3O9 系(A=Ba,Sr; R=Y, Sm-Yb)を用いて、希土類のイオン半径による構造の変化に着目して研究を行った。相転移関係を明瞭にするべく、Ba3RB3O9を用いて、熱分析装置(TG/DTA)で相転移温度を測定し、この温度領域で高温粉末X線回折装置(H-pXRD)で測定を行った。α相(高温相)とβ相(低温相)の出現は、温度と希土類元素の種類に依存していることが確認できた。非晶質用X線回折装置(エネルギー分散型X線回折(EDXD))の測定・解析システムの改造・構築を行い、測定と解析を行った(本年度)。 試料準備中に本系の新規結晶を発見し、その構造解析を行った。空孔構造が存在しており、貯蔵材料としての可能性が示唆された (本年度)。 また、A3RB3O9の結晶構造では、希土類元素とアルカリ土類元素が3つの陽イオンの原子席を占めている(C1~C2 < C3)が、原子席の占め方は、(1)C1&C2=R, C3=Aと(2)C1=R,C2=A,C3=A/R の二つの可能性がある。X線異常散乱を利用した単結晶X線構造解析を用いて原子席を検討した結果、Sr3YB3O9の原子席は、C1=Y, C2=Sr, C3=Sr/Yで混合席があることを確認した。混合席が存在していることが、発光剤としての希土類元素の添加に好都合となっている可能性が示唆された (本年度)。FZ法で融液成長させたCe添加のA3RE(BO3)3(A=Ba, Sr; RE=Y, Gd)の結晶のシンチレーション特性を測定した結果、α線照射によりCeの発光を観測でき、シンチレータとしての応用可能性が期待される結果となった。
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Research Products
(4 results)