2012 Fiscal Year Annual Research Report
多色量子ドットのモノリシック成長によるスペクトル制御可能な近赤外広帯域光源の開発
Project/Area Number |
23760015
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
尾崎 信彦 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30344873)
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Keywords | 量子ドット / 近赤外広帯域光源 / OCT / MBE / 選択領域成長 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エピタキシャルInAs量子ドット(InAs-QD)の領域および波長選択成長技術を用いて、OCT応用に向けた広帯域かつスペクトル形状制御可能な近赤外光源を実現することである。前年度までに、GaAs基板上InAs量子ドット成長における波長制御技術および選択領域成長技術の確立を行ったが、H24年度は、より実用的なデバイス作製に向け、多波長広帯域発光の合波を実現するリッジ型光導波路の設計と微細加工プロセスによる作製を行った。この結果、4つの異なる中心波長を持つInAs-QD群からの広帯域な発光(波長1.2~1.3ミクロン帯)をリッジ型導波路によって合波させることに成功した。また、レーザー光による各QD群への個別の励起強度制御によって、合波スペクトル形状の変化を確認し、我々が提案した広帯域かつスペクトル形状制御可能な光源の有効性を実証することが出来た。 また、当初の研究計画時には挙げていなかったが、InAs-QD発光のさらなる広帯域化を目指した新たな発光波長制御技術開発にも取り組み、(1)InAs-QDの高さ制御法であるIn-flush法を用いた発光短波長化、および(2)InAs-QDの近接二層積層法による発光長波長化を行った。(1)の手法では発光中心波長約0.9~1.2マイクロに及ぶ短波長化、また(2)においては最大で中心波長約1.4ミクロンの長波長化に成功した。これらを融合すれば、最大で500nm近い波長制御が可能となり、さらなる広帯域化が期待される結果となった。 以上から、本研究の目的であるスペクトル形状制御可能な光源作製に向けた研究が順調に遂行され、提案光源の有効性を実証できた。さらに、より広帯域な光源に向けた新技術の開拓にも成功し、今後のさらなる発展の可能性をも示す結果が得られた。
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