2012 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動堆積法による導電性高分子複合膜の作製と光電変換素子への応用
Project/Area Number |
23760019
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
多田 和也 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90305681)
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Keywords | 有機太陽電池 / 導電性高分子 / 無修飾フラーレン / 電気泳動堆積法 |
Research Abstract |
昨年度ポリチオフェン系導電性高分子であるpoly(3-octylthiophene-2,5-diyl-co-3-decyloxythiophene-2,5-diyl)が電気泳動堆積法に適した懸濁液を与えることを見出したが,本年度はこれを発展させて無修飾のフラーレンC60との混合物の懸濁液が安定に得られることを見出し,これを用いて電気泳動堆積法によって製膜したバルクヘテロジャンクション型複合膜を用いた光起電力素子の試作も行った。太陽光シミュレータ(AM1.5G, 1 sun)の照射下でのパワー変換効率は0.001%台と極めて低く,これまでに電気泳動堆積法で得てきた素子と大きくは変わらなかった。この結果について,米国化学会(ACS)が発行するJournal of Physical Chemistry B誌の「Electrophoretic Deposition(電気泳動堆積法)」小特集(2013年2月発行)への論文寄稿の招待に応じる形で論文発表を行った。 これに加えて,電気泳動堆積法による製膜過程について調べ,論文発表を1件行った。 また,同じく昨年度に見出した,これまで有機太陽電池材料の分野では使用されてこなかった1,2,4-trimethylbenzeneという有機溶媒を用いることによって、これまでに得られなかった良質のpoly(3-hexylthiophene)と無修飾のフラーレンとのバルクヘテロジャンクション膜を得ることができることについて,さらなる検討を行った。即ち,これまで太陽光シミュレータ照射下で1%未満のパワー変換効率しか得られていなかったが,組成やアニーリング条件の最適化を行うことにより,C70を用いた素子において1.5%程度まで高めることに成功した。この結果について論文発表を1件行った。
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Research Products
(11 results)