2013 Fiscal Year Annual Research Report
量子分子動力学法に基づくアルカリ形燃料電池におけるアニオン伝導プロセスの解明
Project/Area Number |
23760023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾澤 伸樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60437366)
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Keywords | 計算科学シミュレーション / 伝導プロセス / アニオン / アルカリ形燃料電池 |
Research Abstract |
アルカリ形燃料電池の高性能化のためには、アニオン(OH-)の空気極表面から電解質への伝導プロセスを詳細に解析し理解する必要がある。また、近年のアルカリ形燃料電池の空気極には炭素担体上にPt及びAgのナノ粒子が担持された触媒が用いられている。そこで、ナノ粒子触媒におけるアニオンの伝導プロセスを明らかにするため、55原子から成るPt及びAgナノ粒子上におけるアニオンの拡散プロセスを第一原理計算によって検討した。最初に、(001)と(111)面上のアニオンの吸着サイトと考えられる、原子上のon-topサイト、2つの原子間の中点上のbridgeサイト、3つ及び4つの原子に囲まれたhollowサイト上において、アニオンの吸着プロセスを検討した。その結果、Ptナノ粒子及びAgナノ粒子上においてアニオンは(111)面のon-topサイト及びbridgeサイト、また(001)面のbridgeサイトに吸着しやすいことを明らかにした。また、アニオンの拡散経路を調べた結果、両ナノ粒子上においてアニオンはon-top及びbridgeサイトを通ることを明らかにした。また、ナノ粒子上におけるon-topサイト及びbridgeサイトを通る経路に対するアニオンの拡散障壁を計算した結果、Ptナノ粒子上ではほぼ障壁無しで拡散するのに対し、Agナノ粒子上では律速段階において7.647 kcal/molの拡散障壁をとることを明らかにした。
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