2012 Fiscal Year Annual Research Report
超小型高効率ハイブリッド位相整合波長変換素子の開発
Project/Area Number |
23760046
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松下 智紀 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50554086)
|
Keywords | 波長変換 / 擬似位相整合 / 化合物半導体 / 分子線エピタキシー / 非線形光学 |
Research Abstract |
本研究は、直線導波路モード位相整合と曲げ導波路擬似位相整合を同時に達成したハイブリッド位相整合波長変換素子の実現を目指し、導波路コア層に反転積層構造を有するAlGaAs導波路の研究を行った。 有限要素法と結合波方程式に基づく数値計算を行った結果、反転積層構造を導波路コア層に導入することでモード位相整合と曲げ導波路擬似位相整合を同時にかつ高効率で達成できることを示した。反転積層AlGaAs/SiO2ハイブリッド位相整合素子は、導波路長53.4 mmで変換効率が47400 %/Wであり、折り畳むことで1.1 mm x 3.5 mmのサイズに超小型化可能であった。既存のLiNbO3擬似位相整合導波路素子と比べると、同じ導波路長で約20倍の変換効率が得られる。 反転積層構造導入による変換効率の向上を実証するために、反転積層AlGaAs直線導波路モード位相整合素子を作製した。常温接合法を用いて反転積層型AlGaAs低屈折率差リッジ導波路(Al0.5Ga0.5Asコア/Al0.8Ga0.2Asクラッド)と反転積層型AlGaAs高屈折率差リブ導波路(Al0.5Ga0.5Asコア/Aloxクラッド)の作製に成功した。両導波路は評価時の劈開の衝撃に耐えうる強度で接合していた。低屈折率差導波路において波長1.55 umのレーザ光を導波することに成功し、反転積層構造を導入しても導波路機能は損なわれないことを示した。今後、波長変換の実証実験を行い、反転積層構造導入による変換効率の向上を確認する予定である。 また、反転積層型AlGaAs導波路波長変換素子を用いることでベクトルビームを発生させる波長変換素子を新たに提案した。
|
Research Products
(4 results)