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2011 Fiscal Year Research-status Report

相関光子による局在プラズモン誘起と2光子励起場への応用

Research Project

Project/Area Number 23760050
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

岡 寿樹  大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00508806)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords量子相関光子 / 局在プラズモン / 2光子励起 / 量子制御
Research Abstract

本研究の目的は,量子相関光子がもつ同時性と金属ナノ構造による電場増強との相乗効果によって2光子励起効率の更なる高効率化を目指すことにある.当該年度ではまず,量子相関光子と局在プラズモンの相互作用とその量子ダイナミクスを解析するため,時空間2光子パルス理論を局在プラズモンの光学応答を取り扱える理論へと拡張した.これによりMaxwell方程式を用いた従来のプラズモン解析法では取り扱えない,光の量子性を加味した局在プラズモンの解析が可能となり,局在プラズモンによる量子相関光子の状態変化を実時間で逐次的に追うことが可能となる.更にこの理論は,いくつかの条件を施すことで,局在プラズモンの光学応答を従来の共振器QED理論の枠組みで議論することが可能であり,これまでに確立された手法がそのまま適用できる利点がある.次年度ではこの拡張理論を用いて局在プラズモンと量子相関光子のダイナミクスを詳細に解析する.さらに量子相関ナノデバイス開発の第一ステップとして,単一分子と局在プラズモンの相互作用を解析できる計算ツールを開発した.この計算法を用いれば,先の拡張理論を用いた解析に必要な局在プラズモンモードを任意の金属ナノ構造体に対して計算することが可能となる.また分子系と効率良く相互作用する金属ナノ構造体のデザイン解析など,従来の局在プラズモン応答解析においても重要なツールになると考えられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は,金属ナノ構造を量子相関光子と物質の反応場に応用することで、量子相関光子の同時性とナノ構造による電場増強の相乗効果による2光子励起効率の更なる高効率化を目指すことにある.本研究が掲げるこの目的の達成には、量子相関光子と局在プラズモンの相互作用の正確な理解とそれを取り扱える理論の構築が前提となる.そこで本研究を効果的に進めるために,以下の3つ研究方針を立て研究を進めている.1つ目は局在プラズモンを取り扱える量子光学理論の構築,2つ目は量子相関光子による局在プラズモンの光学応答解析,そして3つ目は量子相関局在プラズモンによる分子系2光子励起効率の解析である.現在,1つ目の計画は既に達成されており,2つ目の計画もその解析に必要なツールが完成,また当初の予定にはなかったが複雑な金属ナノ構造体に対する局在プラズモンモードの解析ツールを開発した.さらにこれらの計画と並行して,量子相関光子によって誘起される分子系2光子励起過程の解析も行い,2光子励起効率に適した量子相関光子の量子状態も明らかにしている.このようにおおむね当初の計画通りに研究が進展している.

Strategy for Future Research Activity

次年度では当初の研究計画に従い,局在プラズモンの特性が十分に研究されている比較的単純な金属ナノ構造体を解析対象として,量子相関光子によって誘起される局在プラズモンダイナミクスを解析し、局在プラズモンと量子相関光子間のインタープレイを明らかにする.その後,局在プラズモンを反応場とした2光子励起を,まずは単純な3準位系原子モデルに対して解析し,古典2光子パルスによって励起された局在プラズモンに対する応答と比較することで2光子励起効率の違いを評価する.さらに分子系への応用を考え,分子振動状態を考慮した系へと解析モデルを拡張し,さらに可能なかぎり現実的な系へとその解析対象をシフトさせていく.またこれらの研究と並行して,2光子励起効率の更なる増強の実現を目指し,金属ナノ構造のデザイン開発も行っていく予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究を進めていく上で,その進捗状況に合わせ必要に応じて研究費を執行していった.当初の研究計画予定にはなかったが,任意の金属ナノ構造体に対する局在プラズモンモードの解析が可能な計算ツールの開発に取り組み,その開発に少し研究時間を割いた.そのため当初の見込み額と執行額は異なったが,研究計画・方針に変更はなく,前年度の研究費も含めて当初予定通りの計画を進めていく.

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Two-photon process via internal conversion by correlated photon pairs2012

    • Author(s)
      Hisaki Oka
    • Journal Title

      Physical Review A

      Volume: 85 Pages: 013403-1-7

    • DOI

      DOI:10.1103/PhysRevA.85.013403

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Control of vibronic excitation using quantum-correlated photons2011

    • Author(s)
      Hisaki Oka
    • Journal Title

      The Journal of Chemical Physics

      Volume: 135 Pages: 164304-1-5

    • DOI

      DOI:10.1063/1.3654136

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 相関光子による振電状態励起の準位数制御2012

    • Author(s)
      岡 寿樹
    • Organizer
      日本物理学会 第67回年次大会
    • Place of Presentation
      関西学院大学
    • Year and Date
      2012年3月26日
  • [Presentation] 相関光子による分子内部転換の2光子過程2011

    • Author(s)
      岡 寿樹
    • Organizer
      日本物理学会 2011年秋季大会
    • Place of Presentation
      富山大学
    • Year and Date
      2011年9月24日
  • [Presentation] 相関光子による電子状態の選択励起2011

    • Author(s)
      岡 寿樹
    • Organizer
      2011年秋季 第72回 応用物理学会学術講演会(招待講演)
    • Place of Presentation
      山形大学
    • Year and Date
      2011年8月29日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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