2013 Fiscal Year Annual Research Report
カルコゲナイドガラスへのインプリント加工による高機能赤外デバイス製作に関する研究
Project/Area Number |
23760052
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
山田 逸成 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (40586210)
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Keywords | ワイヤグリッド偏光子 / 赤外線 / カルコゲナイドガラス / インプリント加工 |
Research Abstract |
【25年度の目標】金属膜の成膜と光学評価 ワイヤグリッド偏光子の基板として機能する金属周期構造の作製として斜め蒸着法を検討し、金属成膜後の光学特性を評価する。最終的に偏光子については赤外域で市販の性能レベル(消光比20dB以上)をもち、無反射構造に関しては市販のGe基板を使用した赤外偏光子を参考に8~10μmの特定波長で表面反射率が5%以下となる光学特性を得ることを目標とする。 【実験と結果】 赤外域で高い偏光特性を得るためには、使用波長よりも充分に短い周期をもつ金属格子構造を形成することが必要である。このような微細周期構造をインプリント加工によって形成する場合、モールドの作製が重要となる。モールド基板は、高温でも充分な硬度をもち、加工性に優れた炭化シリコン(SiC)とグラッシーカーボン(GC)を使用した。モールド作製には二光束干渉露光またはレーザー描画露光とドライエッチングにより、SiCとGCの基板表面に周期500nmと3μmの格子構造を形成した。これらの基板をモールドとして、カルコゲナイドガラスへの両面インプリント加工を行った。253度に加熱した状態でSiCモールドをカルコゲナイドガラスに押し当てた。結果として破損することなく、均一に転写することができ、周期500nm、格子深さ180nmの構造と、反射防止機能を示す周期3μm、格子深さ1.55μmの構造を両面に形成することができた。周期500nm表面にAlを斜め蒸着により、Al格子を形成し、偏光特性を測定した。結果として波長9.5μmにおいて透過率が65%から76%に向上し、計算上片面に理想的な反射防止膜を施した場合の透過率は79%であることから、表面反射率を5%以下に抑えることができたことがわかった。
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