2011 Fiscal Year Research-status Report
微小球マイクロオプティクスのオンデマンド型レーザー転写作製技術の開発
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23760062
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
奈良崎 愛子 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 研究員 (40357687)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 光プロセシング / レーザー転写 / オンデマンド作製 / 有限要素法 |
Research Abstract |
高度情報化社会において、光信号による高速情報処理のための光回路が望まれている。光回路の開発・普及には小型集積化が重要な課題であり、その課題解決の手段として微小球マイクロオプティクスの活用が期待される。 そこで本研究では、微小球マイクロオプティクスの画期的なオンデマンド作製法の開発を目指し、レーザー誘起ドット転写法の酸化物ガラス等への適用と高度化を図る。本手法では、透明支持板上に成膜した膜原料を用い、透明支持板側からレーザーパルスを照射し、対向基板上へ微小球をオンデマンド作製する。しかし当該研究の有力ターゲットである酸化物の場合、金属に比べ、レーザー照射による原料膜の破砕が起こるなど転写のプロセスウィンドウが狭小化し、また転写物の形状制御に課題が残る。 そこでH23年度は、レーザー誘起ドット転写法の酸化物への適用を進めるため、実験および有限要素法による伝熱シミュレーションの両面から、本手法の材料物性・照射パラメータ依存性解明に取り組んだ。その結果、レーザー照射時の原料膜内高温分布シミュレーションに成功。比熱の大きい物質や熱伝導率の小さい物質で膜厚方向温度の均質化に時間がかかる様子が明らかとなった。この結果から、酸化物では比較的大きな熱応力の発生が予想されるなど、酸化物で膜破砕が起きる実験結果とよい一致を示し、今後、応力発生などの膜破砕を抑制できるレーザー照射条件などの検討に有用な情報を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度計画のとおり実験および有限要素法による伝熱解析両面からのメカニズム解明に取り組み、本手法の材料物性依存性を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度に得られた本手法と原料の光・熱物性およびレーザー照射パラメータの相関関係をもとに、酸化物転写の場合の形状制御指針を獲得し、高品位微小球化を検討する。更に複数微小球の連結配置手法の開発に取り組みたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
連結配置システム構築に必要な原料膜・基板保持具の完成のため、収支状況報告書記載の次年度使用額とH24年度物品費の一部を使用予定。さらに、転写原料や基板購入などの物品費、成果普及のための旅費や学会参加費など(「その他」費目)の経費使用を予定している。
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Research Products
(4 results)