2012 Fiscal Year Annual Research Report
透明物質中でのナノスケール超音波パルス伝播の可視化法の開発
Project/Area Number |
23760063
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
友田 基信 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30344485)
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Keywords | ピコ秒超音波 / 光計測 / 超音波計測 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、申請者が過去に開発した新しい光測定技術(超高速光干渉トモグラフィ)をより発展させることである。超高速光干渉トモグラフィとは、透明試料内部で光励起による現象(例えば超音波パルスの発生・伝播)によって引き起こされる屈折率変化の空間分布を、光の干渉を利用して光波長(数百ナノメートル)・ピコ秒の分解能で得るものである。この手法の研究はまだ初期段階であり、今回の研究ではより高感度・全自動で計測するシステムを構築することを目的とする。また、この手法を超音波パルス伝播の観察に応用して、透明媒質の屈折率と音速の空間分布を非破壊的に得る手法についても開発する。 本研究では、超高速光干渉トモグラフィ法を実現するための、自動測定装置の開発を行った。これは、試料に入射する光線の入射角を走査させながら測定するものであり、試料と光検出器を回転軸を揃えた2つの回転ステージにそれぞれ配置したものである。自動測定装置で得たデータと、従来得られていたデータを比較するために、従来と同様の半球ガラスに金属膜を蒸着したものを試料として用いた。自動測定装置で得られたデータは、従来のデータに比較して測定時間や精度、また実験に必要な手間の点で大きな改善が得られた。この結果は、修士2年の学生の修士論文研究としてもまとめられ、また、学会等でも発表する予定である。 さらに、媒質の屈折率と音速の空間分布測定の研究についても、新たな測定装置の構成を考案した。これは液体中に入れられたサファイア基板とチタニウム薄膜からなる試料から発生したナノメートル幅の超音波パルスが液体中を伝播するのを2つの入射角度のプローブ光を切り替えて測定するものである。
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