2011 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク資源割り当て問題に関する非集中型不動点最適化アルゴリズム
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23760077
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯塚 秀明 九州工業大学, ネットワークデザイン研究センター, 准教授 (50532280)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 最適化 / 応用数学 / 数理工学 / 情報通信工学 / 不動点 / ネットワーク資源割り当て / アルゴリズム / 非拡大写像 |
Research Abstract |
ネットワーク化されたシステムに参加する各ユーザが自身の目的関数と制約集合をもつとき、ネットワーク全体の最適化問題を、全ユーザの制約集合の共通部分集合上での全ユーザの目的関数の総和を最小化する問題として定式化する。大規模・複雑なネットワークにおいて、ネットワーク内にいる各ユーザは、自分以外の他ユーザすべての目的関数や制約集合を知ることは一般にはできない。このような状況の下で、ネットワーク全体に関する最小化問題を解くことを考えるとき、各ユーザが自身の目的関数や制約集合のみから得ることのできる情報を他のユーザに伝えあい、ネットワーク内で協力しあうことで、全ユーザが最小化問題の解を見つけることができる反復アルゴリズム(非集中型最適化アルゴリズムと呼ぶ)は有用であろうと考えられる。平成23年度では、各ユーザの制約集合が(必ずしも単純な形状ではない)閉凸集合で、かつ、各ユーザの目的関数が凸のケースでの最小化問題について考察し、その問題を解くための非集中型最適化アルゴリズムとその収束解析を与えることができている。特に、制約集合をある計算可能な非拡大写像の不動点集合として表現することで、不動点理論に基づいた非集中型最適化アルゴリズムの開発に成功している。一方で、全ユーザの目的関数が必ずしも凸ではないケースにおける、全ユーザの目的関数と制約集合を利用すること必要とする、集中型最適化アルゴリズムについても考察した。本研究で得られたアルゴリズムの高速収束性や有用性については、具体的なネットワーク資源割り当てに対する数値実験を行い、既存手法との数値比較等を用いて検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模・複雑ネットワークでの資源割り当て問題を解くための非集中型最適化アルゴリズムの提案とその収束解析について与えることができている。また、提案アルゴリズムの有用性についても、数値実験で検証している。以上に示す通り、当初の予定通り研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究成果を発展させる。具体的には、各ユーザのもつ目的関数が非凸のときのネットワーク全体の最小化問題を考察し、その問題を解くための非集中型最適化アルゴリズムを考案する。このようなアルゴリズムの開発は、平成23年度に得られた非凸最適化問題を解くための集中型最適化アルゴリズムのアイデアを用いることで、十分可能であると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた研究会や国際会議等への参加が困難な状況となったため、平成24年度に使用する予定の研究費が生じた。平成24年度では、平成23年度に得られた研究成果を多くの場で発表し、平成24年度で予定している研究が順調に進展できるよう、様々な研究者と情報交換を行う。また、研究調査のために、ネットワーク及び最適化関連の研究会や国際会議に積極的に参加する。
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Research Products
(6 results)