2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代熱アクティブ複合材料の破壊・疲労挙動解明と高性能・長寿命化
Project/Area Number |
23760083
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 智 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70451531)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 複合材料力学 / 数値シミュレーション / 材料試験 / 熱アクティブ複合材料 / カーボンナノチューブ / 高分子材料 / 破壊・変形・疲労 / インテリジェント構造材料システム |
Research Abstract |
本研究は,熱による構成材料特性変化や変形を利用して駆動する次世代熱アクティブ複合材料を取り上げ,破壊・疲労挙動を理論・実験両面から解明するものである.また,熱アクティブ複合材料設計・評価のための数値シミュレーション・試験法を開発・応用し,破壊・疲労挙動を制御して,高性能・長寿命化を図ることを目的としている.本年度は,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)/形状記憶ポリマー(SMP)積層はりの曲げ挙動に関する理論的・実験的研究を行い,温度変化による剛性変化メカニズムについて検討を加えた.また,カーボンナノチューブ(CNT)による熱アクティブ複合材料の高性能化を目指し,CNT分散ポリマー複合材料の圧縮挙動および電気伝導特性を明らかにした.得られた成果を要約すると以下の通りである.1. CFRP・SMP板からなる多層片持ち積層はりを作製し,先端に集中荷重を負荷して,曲げ剛性を評価した.曲げ試験は,CFRPの通電加熱を利用し,CFRP板の表面温度を制御して行った.また,SMPの物性値温度依存性を考慮して三次元有限要素解析を行い,曲げ剛性の実験結果に理論的検討を加えた.2.(1) CNT分散ポリマー複合材料の圧縮試験および分子構造力学・連続体力学を併用したマルチスケール数値シミュレーションを行い,圧縮挙動に及ぼすマイクロ・ナノ構造の影響を解明した.(2) CNT分散ポリマー複合材料の導電率測定を行い,導電率のCNT体積含有率依存性を明らかにした.また,CNT分散ポリマー複合材料のCNT間トンネル効果を考慮した電気伝導に関する理論モデルを提案・応用し,導電率を求めて,実験結果に理論的検討を加えた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱による構成材料特性変化や変形を利用して駆動する次世代熱アクティブ複合材料の剛性制御機能に関する理論的・実験的研究を行い,順調に成果を挙げている.また,熱アクティブ複合材料の破壊・変形挙動に関する数値シミュレーション・実験も進めている.さらに,カーボンナノチューブ(CNT)分散ポリマー複合材料の強度・機能についても検討を加え,CNTによる熱アクティブ複合材料の高性能化を目指して,基礎的研究を進めている.
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究成果を踏まえ,次世代熱アクティブ複合材料の破壊・変形挙動に関する理論的・実験的研究を推進する.また,熱アクティブ複合材料の疲労挙動についても検討を進める予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験を効率良く進めるため,数値シミュレーションを併用して実験条件を検討した結果,当初計画と比較して試験片・消耗品経費を抑えることができた.次年度の研究費については,熱アクティブ複合材料の破壊・疲労挙動評価を行うため,試験片・治具や消耗品の購入経費として効果的に使用していく予定である.
|
Research Products
(6 results)