2012 Fiscal Year Annual Research Report
GPUアクセラレートされたPhase-Field法に基づく複合組織鋼の材質予測
Project/Area Number |
23760088
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山中 晃徳 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50542198)
|
Keywords | フェーズフィールド法 / GPU / 材質予測 / 鉄鋼材料 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究では、高性能な計算機アクセラレータであるGPUにより高速化したフェーズフィールドシミュレーションを用いて、鉄鋼材料中の複相組織の形態や各相の空間分布、残留応力分布を予測するとともに、その予測結果を基に鉄鋼材料の力学特性を定量的に評価可能な組織・特性評価シミュレーション法を確立することを目的として研究を行った。平成24年度においては、平成23年度に構築した結晶塑性有限要素法とマルチフェーズフィールド法を用いた加工オーステナイト相からのフェライト変態挙動の予測モデルを3次元モデルへ拡張するとともに、複数GPUによる超高速化を行った。その結果、前年度開発したマルチフェーズフィールド法の単一GPU計算に比べて、更なる高速化が可能となり、フェライト相の3次元形態評価が短時間で効率的に行えるようになった。また、鉄鋼材料の強化相として重要なマルテンサイト相の3次元形態形成予測のための結晶塑性フェーズフィールドモデルも構築し、上記の研究成果を組み合わせることで、高強度鋼の複相組織予測が可能となる。一方、マルチフェーズフィールド法で予測される鉄鋼材料のミクロ組織形態に基づき力学特性を予測するために、弾塑性大変形有限要素法とマルチフェーズフィールド法を組み合わせた材質予測モデルを構築した。平成24年度は、本手法を用いてフェライト+マルテンサイト二相鋼中のフェライト相形態に依存した応力ひずみ曲線や内部応力分布の評価が可能となった。当初の目標であった、相変態を伴う鉄鋼材料の塑性加工シミュレーションを実施するためのフェーズフィールド法と有限要素法の強連成解析は実施できなかったが、今後の研究により、本研究で実現したされた3次元マルチフェーズフィールド法の超高速GPU計算手法と、現在開発中の動的陽解法をソルバーとして用いた結晶塑性有限要素法を組み合わせることで、この目標は達成されると期待できる。
|
Research Products
(9 results)