2012 Fiscal Year Research-status Report
炭素繊維強化熱可塑性プラスチック融着作業中のリアルタイム融着不良部検査法
Project/Area Number |
23760089
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 義弘 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (40337879)
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Keywords | 熱可塑性CFRP / 非破壊検査 / 渦電流探傷法 / 融着 |
Research Abstract |
昨年度は融着技術と融着後の検査に分けて研究を遂行した. 融着技術については,炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)の構成材料である炭素繊維の導電性を利用して融着を行う自己抵抗融着法を新たに開発した.この方法では,融着したい材料を重ねて設置した上で材料に電圧を直接印加するが,電流経路中において電気抵抗が一番高い融着界面が優先的にジュール発熱し,材料が融着することが分かった.この技術については学術誌に投稿し,現在掲載待ちの状態である. 一方,渦電流探傷法による融着後の検査についてはCFRTPの電気的異方性および電気的不均一性が問題になると考えている.研究計画段階ではコイルに印加する電圧波形を工夫することで,これらの影響を軽減することを考えていたが,CFRTP内の電流経路は材料内の繊維配向に支配されてしまうため,印加波形の変更だけでは影響を軽減できないことがわかった.そこで,渦電流探傷法が導電率の測定にも適用可能なことと導電率は材料の温度により変化することに着目し,新たな探傷法を提案することにした.新しい探傷法では融着後にCFRTPを再加熱すると融着不良部で温度分布が生じることを利用する.温度分布が生じると導電率の分布が生じるため,これを渦電流法で計測することで融着不良部を検出する.本年度は導電率分布の計測に適した検査シート(コイル形状)を検討し,提案方法によって融着不良部の検出ができる可能性があることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画時の最終的な目標達成に向けておおむね順調に進展しているが,そのアプローチの仕方については検討をすすめていく中で大きく変更することを余儀なくされた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは融着と融着後の検査を別々に検討してきたが,今後はこれらを合わせて検討をすすめる方針である.すなわち,本研究の最終目標である「炭素繊維強化熱可塑性プラスチック融着作業中のリアルタイム融着不良部検査法」を確立させる予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究予算とあわせて使用させて頂く予定である.
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