2012 Fiscal Year Annual Research Report
インプロセス制御による溶接残留応力分布の適正化と構造健全性向上
Project/Area Number |
23760096
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡野 成威 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00467531)
|
Keywords | インプロセス制御 / 溶接残留応力 / 固有ひずみ / (準)非破壊応力計測 / 構造健全性 |
Research Abstract |
各種の溶接構造物や製品の品質に影響を及ぼし得る溶接残留応力のインプロセス制御手法とそれによる構造健全性向上に向けた検討を目的として、数値解析的アプローチと実験的アプローチを適宜組み合わせながら研究を進めた。ここで、インプロセス制御とは、溶接前の何らかの事前処理あるは溶接後の応力緩和処置などによらない溶接しながらインプロセスで応力を制御する手法を指すものとする。具体的な取り組みとして、溶接残留応力発生メカニズムの理論的検討をベースに、温度場制御による残留応力低減手法の開発・評価、高精度残留応力計測システムの開発・評価、溶接残留応力の影響を考慮した構造健全性評価の検討について検討を実施した。 溶接残留応力発生メカニズムの理論的検討として、溶接残留応力の発生要因である固有ひずみの発生特性について数値解析を実施して評価し、固有ひずみの発生要因ならびのその支配因子について考察した。上述の検討結果に基づいて、温度場制御による残留応力低減手法の開発・評価として、水冷法による温度場制御技術を提案し、これによる溶接残留応力の低減効果について、実験計測ならびに数値解析により評価した。適正な温度場制御によって残留応力を5割程度低減できることを確認した。この取り組みと並行して、高精度残留応力計測システムの開発・評価として、X線応力測定法ならびにインデンテーション法を用いた高精度な(準)非破壊応力測定法について検討を実施し、従来から広く用いられており測定信頼性の高い応力弛緩法(破壊法)との比較を通しながら、これらの手法の測定信頼性について評価し、実用的に十分とも思われる良い精度で応力測定が可能であることを確認した。溶接残留応力の影響を考慮した構造健全性評価として、補修溶接部の残留応力分布の適正化とそれによるき裂進展駆動力の変化について評価し、溶接残留応力の適正化による構造健全性向上の可能性を示した。
|
Research Products
(9 results)