2012 Fiscal Year Annual Research Report
MEMS技術を用いた薄膜構造材料の力学特性評価と破壊メカニズムの解明
Project/Area Number |
23760103
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安藤 妙子 立命館大学, 理工学部, 准教授 (70335074)
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Keywords | 単結晶シリコン / 機械的特性 / ヤング率 / 引張強度 / 不純物濃度 |
Research Abstract |
本研究では, MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)構造材料として一般的に用いられる,シリコン単結晶のマイクロ・ナノメートル領域における破壊特性に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とし,以下の2点を中心に研究を遂行した. 1. 引張試験用マイクロデバイスの開発 MEMS技術を利用して,シリコンチップ上に試験片と一体化したマイクロ引張試験デバイスを新たに開発した.最終的にTEM内での引張試験を想定してデバイスの大きさは7mm×7mm角とし,一方で試験片の寸法はマイクロスケールの特徴が顕著になること,TEMにおける観測領域に収まることを考慮して,長さ 10 micron,幅 5 micronとし,試験片作製中や試験開始までのセッティングによる試験片損傷を考慮して,1デバイス内に5本の試験片を並列に並べる構成とした.試験片の形状はANSYSを用いた有限要素解析により,最適化を行っている.同時に,開発する引張試験デバイスを利用してナノスケール制御による引張試験を行い,高精度な計測が可能となる引張試験装置を開発・製作した.本装置はロードセルを変更することにより厚さ 100 nm~20 micron 程度ののシリコン薄膜の引張試験を行い,ヤング率,破壊強度や変形挙動を測定することが可能であることを確認した. 2. 不純物濃度の異なるシリコン単結晶の引張試験 シリコンに含まれる不純物の濃度が異なる試験片を用意し,これらの破壊強度やヤング率などを測定した.マイクロスケールでの特徴を調べるため,上記(1)で開発したものと類似の引張試験用デバイスを本研究用に改良したものを用いた.本研究では,ボロンとゲルマニウムがドープされたシリコンを用い引張試験を実施したところ,ヤング率・破壊強度がボロン・ゲルマニウムの濃度の影響を受けることを明らかにした.
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Research Products
(2 results)