2011 Fiscal Year Research-status Report
生理学的外力作用下での細胞内応力分布のダイナミクス
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23760107
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
塚本 哲 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 応用科学群, 助教 (90511460)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞バイオメカニクス |
Research Abstract |
本研究では,力が誘発する疾患の発症メカニズムを解明することを目的として,発症に関与すると指摘される細胞内応力分布を,生体内の力学環境を模擬した応力作用下で測定する.その中でも,平成24年度は測定に必要な新規実験系の開発を進めた.当初の予定では細胞を播種するゲルとしてゼラチンゲルを,細胞に応力作用を与える環境温度として室温を予定していたが,開発を進める中で下記に示す問題点が判明した.具体的には,細胞をゼラチンゲルに播種した場合,細胞を剥離させる操作に大きな困難を伴うことが分かった.この困難さは,研究を予定通り遂行させることに対しても支障となることが予想された.また,細胞に応力作用を与える環境温度として室温を用いた場合,その後に得た知識に依れば,細胞の力学構造を担う細胞骨格が物理的な性質そのものを変化させてしまうことが分かった.室温は昼夜,季節による変動が大きく,再現性が高い実験結果を得ることに対して支障となることが予想された.これらの問題点を解消させて新規実験系の開発を完成させるため,以下のような計画変更を行うこととした.具体的には,ゼラチンゲルの代わりにポリアクリルドゲルを用いることとした.このことにより,細胞を剥離させる操作に薬剤剥離が可能になり,操作の困難さが解消される.この代替法については,現在も方法の確立を進めているところである.また,環境温度として室温の代わりに生理的温度である37℃を用いることとした.そのために,新たに小型細胞培養機の選定を進め,早期に購入することを現在予定している.一方で,ゼラチンゲルを用いないことを考慮し,当初購入を予定していた微量液体吐出装置(マイクロシリンジ関連装置一式)については購入を中止した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は新規実験系を開発することを予定していたが,幾つか散見された支障を解消するため,やや遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
ゼラチンゲルの代わりにポリアクリルドゲルを用いる.このことにより,細胞を剥離させる操作に薬剤剥離が可能になり,操作の困難さが解消される.この代替法については,現在も方法の確立を進めているところである.また,環境温度として室温の代わりに生理的温度である37℃を用いる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新たに小型細胞培養機の選定を進め,早期に購入することを現在予定している.一方で,ゼラチンゲルを用いないことを考慮し,当初購入を予定していた微量液体吐出装置(マイクロシリンジ関連装置一式)については購入を中止した.
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