2012 Fiscal Year Annual Research Report
高速対応型快削鋼の切削におけるセラミック工具の工具摩耗抑制手法の確立
Project/Area Number |
23760111
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 隆太郎 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60361979)
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Keywords | 断続切削 / セラミック工具 / 快削鋼 / 工具摩耗 / 切削温度 |
Research Abstract |
窒化チタンアルミナセラミック工具の断続切削における切削性能を調べるために,マシニングセンタを用いた正面フライス加工による切削実験を実施した.機械構造用炭素鋼S45CとBN添加鋼を被削材として鋼材へのBN添加が工具寿命,工具刃先温度および仕上げ面粗さにおよぼす影響について調べた.なお,ここで示す切削時間は空転時を含めた見かけ上の切削時間である.以下に得られた結果の概要を示す.なお,カッタ直径100mm,被削材幅60mm,切削速度V=250m/min,送り=0.15mm/toothである.切り込みdが0.3mmと小さくとりBN添加鋼を切削すると,S45Cと比べて長い工具寿命を得ることができるが,切り込みを0.6mmまで大きくするとBN添加鋼の方がS45Cよりも工具摩耗が早く進行し,S45Cでは確認されなったクレータ摩耗が発生した.切り込みが0.3mmと小さくとり BN添加鋼を切削すると,工具刃先にほとんどチッピングが発生しなかったが,S45Cではチッピングが見られた.切り込みを0.6mmまで大きくするBN添加鋼切削においてもS45Cと同様にチッピングが発生することが分かった.BN添加鋼切削時の工具刃先温度は,S45Cと比べると低い傾向にあった.また,切削速度V,送りf,切り込みdの中で切削速度Vが工具刃先温度に与える影響が最も大きかった.仕上げ面粗さは,切り込みが小さいときBN添加鋼を切削すると,S45Cと比べてわずかではあるがが小さかった.一方で,切り込みが大きいときBN添加鋼の方がS45Cよりも仕上げ面粗さが大きかった.以上のことから被削材の凝着がチッピングを引き起こしそこへ凝着した被削材が空転時に酸化され工具と反応をおこす一連のサイクルにより工具摩耗が進行させ,加工時の温度によりその摩耗進行の程度が変化することが考えられる.
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Research Products
(3 results)