2013 Fiscal Year Annual Research Report
ホットスタンプにおける成形限界予測のためのシミュレーション援用材料試験法の開発
Project/Area Number |
23760115
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
濱崎 洋 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30437579)
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Keywords | 高温成形 / 大ひずみ / スプリングバック / 粘塑性変形 / パラメータ同定 |
Research Abstract |
温間における鋼板のスプリングバック予測を可能とする数値シミュレーションの開発には,温度,ひずみ速度に依存する応力‐ひずみ曲線を高精度に再現できる材料モデルが不可欠である.また,温間でのスプリングバックに影響を及ぼす力学的因子を明らかにする必要がある. 本研究初年度には,鋼板の温間特性を調査するため,種々の温度,ひずみ速度において引張試験を実施した.その結果,鋼板は600℃より高温下では顕著な速度依存性を示すことがわかり,また,温度の上昇とともに流動応力が低下し延性が向上することが確認できた. 二年目には,鋼板のV曲げおよびU曲げを温間で実施し,スプリングバック量と温度,成形速度の関係を詳細に調査した.特に,V曲げ試験においては,負荷終了後に保持時間を設けた場合とすぐに除荷をした場合ではスプリングバック量に大きな差を生じることを見出し,これが応力緩和によるモーメントの減少により生じていることを見出した. 最終年度には,バウシンガー効果に代表される繰返し変形特性を温間で調査できる,繰返し曲げ試験を提案した.この結果,試験から得られる荷重‐変位曲線は,温度と速度の依存性を顕著に表れており,これにより,実験結果と数値シミュレーションを用いた逆解析から繰返しの応力‐ひずみ特性を求める手法を提案した.本手法では,繰返し曲げ試験から得られる荷重‐変位曲線と,数値シミュレーションから得られる結果を一致させるような構成モデル中の材料パラメータを,数値最適化手法により自動的に決定できるものである.ここで繰返し曲げ試験の数値シミュレーションは材料パラメータを繰返し変更しながら計算を実施する必要があり,シミュレーションの計算速度が重要となってくる.そこで,曲げ試験を高精度に再現でき,かつ高速計算が可能なアルゴリズムとして,バー要素を用いた高速有限要素法を開発した.
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Research Products
(2 results)