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2011 Fiscal Year Research-status Report

超極少カーフロスを実現するシリコンスライシング

Research Project

Project/Area Number 23760116
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

大西 修  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50315107)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywordsワイヤ放電スライシング / ワイヤソースライシング / 炭素繊維 / カーフロス
Research Abstract

本課題は,最小直径5ミクロン程度の炭素繊維を電極線としたワイヤ放電加工,あるいは,炭素繊維にダイヤモンド砥粒を電着したダイヤモンド電着炭素繊維を用いたワイヤソースライシングによって,カーフロスを極端に小さくしたシリコンのスライシング法の確立を目的とし,平成23年度はワイヤ放電スライシングに関する研究を行った. まず,シリコンの加工特性を把握するための基礎実験として,市販されている従来のワイヤ線を従来のワイヤ放電加工機に取り付け,シリコンのスライシング実験を行った.その結果,材料の電気伝導性が一因とと思われるが,加工はできなくはないものの,ワイヤ線の破断が頻発するなど,非常に困難なものであった.そこで,シリコンを加工しやすい条件があるかとの検証の1つとして,ワイヤ放電加工におけるシリコンの結晶方位の加工特性への影響を調査した.その結果,結晶方位により放電ギャップや加工面性状に違いが見られることがわかった.また,ワイヤ放電加工ではなく,形彫り放電加工により,電極材料などまで含めたパラメタに対する加工特性の検証を行った.そして,電源装置の開発とともに,シリコンの基本的加工特性について明らかにした.これらの後,ワイヤ放電加工装置の基本構造を決め,装置の製造を開始した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成23年度の計画としては,(1)「基礎実験として,従来のワイヤ放電加工機において,炭素繊維束を電極としたシリコンのワイヤ放電加工を行い,加工特性を調査する.」,(2)「極細径までの電極を使用可能な上述の加工装置の製作を行う.製作した装置で市販品のワイヤ電極線によるシリコンの切断加工を行うことで装置の検証を行い,最終的には炭素繊維を電極線として使用できるワイヤ放電加工装置を完成させる.」,(3)「完成した装置を用いてシリコンのスライシングを行うことで,炭素繊維を電極線としたワイヤ放電加工の基本的な加工特性と加工のメカニズムを明らかにする.」という計画をたてていたが,(1)の基礎実験において,従来の放電加工機によるシリコンの加工が,通常の電極を用いて加工しようとした際にも非常に困難であることがわかったため,A「ワイヤ放電加工におけるシリコンの結晶方位の加工特性への影響の解明」,B「ワイヤ放電加工ではなく,形彫り放電加工により,電極材料などまで含めたパラメタに対する加工特性の解明」という2項目を研究目的完遂のために新たに追加して行った.その結果,従来のワイヤ放電加工機では困難であったシリコンのワイヤ放電加工を上手く行うための指針を見出し,加工装置の製作が行われた.しかしながら,新たに追加した項目のため,研究計画に遅れを生じている.

Strategy for Future Research Activity

本研究の「カーフロスを極端に小さくしたシリコンのスライシング法の確立」という目的の完遂のために,平成23年度に計画していた項目で未完の項目と平成24年度に計画していた項目の実施を行う予定である. まず,極細径までの電極を使用可能なワイヤ放電加工装置を完成させる.そして,完成した装置を用いてシリコンのスライシング実験を行うことで,炭素繊維を電極線としたワイヤ放電加工の基本的な特性と加工のメカニズムを明らかにする.さらに,最適な加工条件について検討する. その後,開発したワイヤ放電加工装置加工装置をワイヤソー加工装置として用いるために改造を行う.完成したワイヤソー加工装置に用いる炭素繊維に微粒径(0.5ミクロンなど)のダイヤモンド砥粒を電着したダイヤモンド電着炭素繊維の製作を行い,それを用いたシリコンのスライシング実験を行うことで,その加工のメカニズムと加工特性を明らかにするとともに,最適加工条件を究明する. 最後に,全ての研究結果を総括する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

現在開発中の直径約5ミクロンの炭素繊維を電極線として使用できるワイヤ放電加工装置を完成させるため,本加工装置の構成要素たる炭素繊維あるいは市販品のモリブデン線などの電極線材料,また,ワイヤ走行(駆動)用のサーボモータ,その他,超硬給電ダイスなどを購入する予定である.そして,装置が完成した後,シリコンのスライシングにおける加工特性・最適加工条件などを検証するため,スライシング実験用の工作物であるシリコンなども購入する予定である. その後,開発したワイヤ放電加工装置を改造し,ワイヤソー加工装置として用いた研究を行う.これは,炭素繊維に微粒径(0.5ミクロンなど)のダイヤモンド砥粒を電着したダイヤモンド電着炭素繊維を用いてシリコンのスライシングを行おうというもので,これを実現するための加工装置のために,ワイヤソー用のガイドなどの部品を購入する予定である.また,ダイヤモンド電着炭素繊維の構成要素である炭素繊維およびダイヤモンド砥粒,また,電着のための器具・薬剤についても購入する予定である.そして,装置が完成した後,シリコンのスライシングにおける加工特性・最適加工条件などを検証するため,加工実験用の工作物であるシリコンなども購入する予定である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] シリコンのワイヤ放電加工特性2012

    • Author(s)
      稲尾卓哉,大西修,土肥俊郎,黒河周平,畝田道雄,佐島隆生,水江宏
    • Organizer
      日本機械学会九州支部 第65期総会講演会
    • Place of Presentation
      佐賀大学
    • Year and Date
      2012年3月16日
  • [Presentation] RC回路を用いたシリコンの放電加工特性2011

    • Author(s)
      稲尾卓哉,大西修,土肥俊郎,黒河周平,佐島隆生,畝田道雄
    • Organizer
      2011年度精密工学会九州支部大分地方講演会
    • Place of Presentation
      大分大学
    • Year and Date
      2011年12月10日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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