2012 Fiscal Year Annual Research Report
ニオブ酸リチウムのマイクロエンドミル溝加工による新規SAWデバイスの作製
Project/Area Number |
23760118
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
静 弘生 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80552570)
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Keywords | ニオブ酸リチウム / 延性モード切削 / μ-TAS / LiNbO3 / ダイヤモンド切削 / ダイヤモンドエンドミル / シェーパ加工 / 弾性表面波 |
Research Abstract |
平成24年度は,前年度の研究において製作した微細溝を用いてμ-TASデバイスを製作し,ニオブ酸リチウム基盤に発生させたSAWを反射させることに成功した. しかしながら,平成23年度に製作した微細溝は加工溝のエッジ部分に大きな欠けが生じており,SAWを反射させるための溝として用いるには不十分であった.これは,実験で用いた超硬エンドミルやcBNエンドミルの工具切れ刃が鋭利でないことが原因であると考えられる.このことから,平成24年度はより欠けの少ない良好な加工溝を得ることを目的として,刃先が極めて鋭利で転写性に優れる単結晶ダイヤモンド工具を用いて微細溝加工実験を行った. ニオブ酸リチウムは異方性の強い脆性材料であるため,微細溝加工では切削方向や切込みの影響を大きく受けることが考えられる.従って,実験では常に切削方向が単一方向となるダイヤモンドバイトを用いたシェーパ加工と,切削方向が常に変化するエンドミル加工の2種類の方法について実験し,加工溝性状を比較した. ダイヤモンドバイトを用いたシェーパ加工実験では,通常脆性モード切削となるニオブ酸リチウムでも切込みを数μmに設定することで脆性破壊の生じない良好な加工溝を得られることを明らかにした.また,実験では前年度までの超硬工具を用いた実験同様にダイヤモンド工具を用いた場合でも加工溝性状は結晶方位の影響を受けることがわかった. しかしながら,ダイヤモンドエンドミルを用いた場合は切削方向を変化させても結晶方位の影響は少なく,すべての角度において良好な微細溝が得られることを明らかにした. 以上より,本年度は前年度の超硬工具やcBN工具で生じた加工溝の欠けの問題に対して,ダイヤモンド工具を用いることによって,ほとんど欠けの無い良好微細溝を加工することが出来た.また,研究で得られた成果を学会で発表した.
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Research Products
(2 results)