2012 Fiscal Year Annual Research Report
熱酸化による光ナノインプリント用超微細透明金型の創成
Project/Area Number |
23760119
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野田 大二 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), その他 (00378267)
|
Keywords | ナノインプリント / 透明金型 / 熱酸化 / 光インプリント / 超微細構造 / 高アスペクト比加工 / マイクロマシン / MEMS |
Research Abstract |
本研究は,微細パターンの転写技術として注目されている光ナノインプリント技術を用いて,周期をナノメートルオーダーとするX線回折格子を実現することにある.シリコン微細加工技術によりサブミクロンパターンを形成し,熱酸化という極めて単純な方法でシリコンを二酸化ケイ素にすることで透明な微細金型を得る手法を提案している. シリコン微細加工技術を用いて,周期2.0μm,構造体厚約30μmとなるシリコン格子パターンを形成し,熱酸化により二酸化ケイ素に変化させる実験を行った.線幅を考慮することでパターンの歪みが低減すること出来たが,面積を大きくすると顕著に見られることから,超高アスペクト比構造の場合は,あまり面積を大きくすることが出来ないことがわかった. パターン部だけでなく母材部分も透明にしないと光ナノインプリントが出来ないことから,長時間での酸化を行ったが,完全に透明な金型を得るには至らなかった.そこで,狭周期化の実験において,周期1.2μmから2.0μmと変化させ,加工深さ約5μm,有効面積5mm角のシリコン金型を用いてホットエンボス装置にてPC基板への転写を試みた.成形条件を変化させた際の形状転写について調べ,周期の違いにより転写の条件が大きく異なることがわかった.特に顕著な結果は,周期が広いときは成形温度を高くしすぎるとPC樹脂のゆがみやうねりが見られたが,線幅を狭くするに従いこれらが減少し,0.6μmでは見られなくなった.つまり,線幅とアスペクト比に応じて条件が決まることがわかった. これらの結果より,微細細線を有する金型を用いたナノインプリントの条件が明らかとなり,光ナノインプリントへ適用した際にはさらに離型性の向上が見込まれるため,量産可能な光ナノインプリント用微細金型の作製が大いに期待できる.
|