2012 Fiscal Year Annual Research Report
射出成形品板厚方向の機能発現を目的とした充填材配向制御手法の開発
Project/Area Number |
23760120
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀬戸 雅宏 金沢工業大学, ものづくり研究所, 講師 (90367459)
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Keywords | 射出成形 / 配向制御 / 機能発現 / 導電性樹脂 / メッキ繊維 / 体積抵抗 |
Research Abstract |
本研究では,銅めっき繊維の配向を制御し,成形品板厚方向の体積抵抗率の低減を目的としている.昨年度までの研究では,化学発泡材を用いた射出発泡成形法を応用し,発泡時の気泡成長によりメッキ繊維を板厚方向に配向制御する方法を検討した.その結果,未発泡成形品内部の板厚方向の体積抵抗率は6802Ωcmであったのに対し,発泡成形品の板厚方向の堆積抵抗率は80Ωcmとなり,板厚方向の体積抵抗率を低減することができた.しかし,流動方向の流動方向と比較して板厚方向の体積抵抗率が70倍程度高く,強い異方性を示した. 今年度は,この異方性をさらに低減させるため,超臨界二酸化炭素を発泡材として用いた物理発泡成形の有効性を確認した.その結果,昨年度までの化学発泡材を用いた場合では,成形品内部の気泡が大きく,通電パスが阻害されている個所が多く確認されたが,物理発泡成形品では,微細な発泡が形成されていることが確認された.また成形品表面の未発泡層も化学発泡成形と比較して薄く,堆積抵抗率は7Ωcmであり,板厚方向の堆積抵抗率を大幅に低減することが確認された. また,発泡成形を用いない銅めっき繊維配向制御手法として,成形品に段差部(凹凸)を設けて板厚方向の樹脂流動を変化させる方法を新たに検討した.その結果,段差部および段差部直後の銅めっき繊維は平板部と比べて板厚方向に多く配向していることが確認され,体積抵抗率も平板部に比べて提言することが確認された. 高熱伝導率射出成形品における板厚方向の熱伝導率向上に関しては,熱伝導率測定装置の開発を進めたが,試験片の断熱および温度コントロールに問題があり,正確な測定不可能であった.装置および計測系の改良が必要であると考えられ,今後継続して取り組む.
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Research Products
(3 results)