2012 Fiscal Year Annual Research Report
供給空気の超精密・高速制御技術を用いた静圧空気軸受エアタービンスピンドルの制御
Project/Area Number |
23760122
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 友規 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (20390429)
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Keywords | 超精密加工 / エアタービンスピンドル / 回転数制御 / 外乱オブザーバ / 省エネルギー化 / エアパワー |
Research Abstract |
超精密非球面加工機などの超精密加工機械において,高精度・高速対応・低摩擦・低振動などの優れた特性を有する,静圧空気軸受が広く使用されている.特に,高速回転が求められる軽負荷の小径工具用や回転噴霧式塗装用の主軸の駆動には,静圧空気軸受を用いたエアタービンスピンドルが用いられている.加工負荷による回転数低下を抑制するためにエアタービンでは一般的に,供給空気圧を高くして所定の回転数を維持する方法が採られている.しかし空気圧供給ラインの上流で外乱が発生した場合に圧力変動が抑制できない問題が発生する.これまでに供給空気圧・流量・回転数・出力トルクの関係に関して研究は行われていたが,供給圧と流量を高速かつ精密に制御する技術が確立されておらず,エアタービンにおいて出力・回転数の高速かつ安定な制御は困難であった. 本研究では,次の4点について重点的に進め,以下の成果を得た. 1)超精密加工機に取り付け可能な回転数計測・制御機能付の超精密ミーリング加工用エアタービンスピンドルを設計・製作した. 2)上記エアタービンスピンドルの起動に要する消費エネルギーをエアパワーメータで測定し,提案方法では従来の方式に比べ,消費エネルギーが約1/10に削減されたことを確認した. 3)提案方法により回転数が制御されたエアタービンスピンドルにエンドミルを設置し,簡易な工作機械を用いて,アルミニウム製板の切削加工実験を行った.その結果,回転数の制御により,主分力による回転数低下を抑制でき,回転数低下に伴う表面粗さ劣化を抑制できることを確認した. 4)ナノオーダの位置決め制御が可能である電空ハイブリッド方式の超精密鉛直位置決めステージを設計・製作した.
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