2012 Fiscal Year Annual Research Report
機械・回路・ソフトウェアの統合モデリングに基づく複合型製品の資産化支援
Project/Area Number |
23760128
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古賀 毅 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (30431787)
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Keywords | 高度メカトロニクス / V字型開発プロセス / 製品情報モデル / SysML / Modelica / モデル駆動型開発 / V&V / 段階的詳細化 |
Research Abstract |
自動車や航空機・電子機器に代表される,機械・回路・ソフトウェアから構成される複合製品の開発では,製品のきめ細かい振舞を伴う新規の機能が次々と追加されており,組込みソフトウェアの開発規模も増大の一途になっている.従来の機械設計においては,設計者同士の調整で問題を発見し排除する,という「すり合わせ型の開発」が行われているが,この複合型製品を設計開発する方法として,すり合わせに過度に依存した旧来の開発方法では,限界に来ているのではないか,という声が現場から聞かれる状況にある. 現在,複合型製品における要求や機能・構造,挙動を,統合的に記述可能な情報モデルは,存在しない状況である.個別の設計情報モデルは存在するものの,それらは互いに連携していない状況にある.このため,それぞれのモデルはバラバラで,全体を把握できないという問題があり,これらの境界部分で不具合が発生している状況にある.そこで,複合型製品を統合的に記述可能な製品情報モデルを構築することにより,開発を効率化し,プラットフォーム化・資産化を可能とする手法を取り組んだ. 具体的には,複合型製品の設計情報を,統合的に記述可能な情報モデルを構築し,境界部の整合を図りながら全体を段階的に詳細化することで設計を支援する手法を構築した.開発プロセスの上流から製品要求を実現するための要求分析を実施し,詳細設計工程に分析した要求を引継ぐための製品の要求と仕様を表現する製品情報モデルを設計する手法を構築した.更に,機能・構造,挙動などの情報を,オブジェクト指向言語を用いて段階的に定義するプログラムを開発し,具体的な製品(インテリジェントクレーン)を対象に適用し検証を行った. その結果,従来の開発方法では困難であった,開発途上における大きな機能追加・更新に対する変更の影響範囲の把握や,テスト工程における欠陥の除去の容易性が向上するという成果を得た.
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Research Products
(10 results)