2011 Fiscal Year Research-status Report
多目的逐次近似最適化を用いた可変ブランクホルダー力の最適軌道設計
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23760134
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北山 哲士 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (90339698)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 最適化 / 機械学習 / 逐次近似最適化 / 塑性加工 / スプリングバック |
Research Abstract |
塑性加工の分野では,材料を加工する前の様々な条件を決定するための検討手段の一つとして,コンピュータシミュレーション(CAE)技術が活用されている.塑性加工では,ブランクホルダー力(Blank Holder Force:BHF)を適切に調整して材料を金型間に流し込むが,BHFが大きすぎると材料に割れが生じ, BHFが小さすぎるとしわが発生する.また加工終了後,材料中の残留応力によってスプリングバックが起こる.さらに成形加工品には常に板厚の不均一が残るものの,板厚分布は均一であることが望ましい.そのため,板厚変動・しわ・割れ・スプリングバックを軽減するようなBHFを設定することが重要である.また,しわ・割れ・スプリングバックの間にはトレードオフの関係があるが,これらの間の関係を定量的に把握して成形を行うことは学術上,有用な知見をもたらすと考えている.先進的な加工法として,成形加工中における材料を抑えるブランクホルダー力を適切に調整する可変ブランクホルダー力による加工法がある.この加工法で最も重要なことは,加工過程で材料に発生するしわ・割れを抑制し,さらにスプリングバックを軽減する可変ブランクホルダー力の最適軌道を求めることである.本研究では,RBFネットワークを利用した多目的逐次近似最適化システムを開発し,深絞り加工を対象とした塑性加工シミュレーションを行い,しわ・割れ・スプリングバックを抑制するような可変ブランクホルダー力の最適軌道を求める.サーボプレスを用いた実験を通じて,本研究で考える可変ブランクホルダー力の最適軌道の有効性を検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単一目的の逐次近似最適化システムを構築した.また,有限要素解析モデルを作成し,スプリングバック抑制を目的とした可変ブランクホルダー力の最適軌道の計算を行い,良好な結果を得ている.投稿論文も執筆し,投稿準備をしている.また,トレードオフ分析法に関する研究も進んでおり,研究計画通りに進めることができている.最適化手法に関する研究も十分行えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,RBFネットワークによる多目的逐次近似最適化システムの構築する.エクセルベースのソフトウェアを開発し,投稿論文を執筆する.平成23年度に作成した有限要素解析モデルを用いて,しわ・割れ・スプリングバックを定量的かつ総合的に評価する関数について,検討する.さらに,様々な目的関数において可変ブランクホルダー力の最適軌道設計問題を考え,シミュレーションを行う.引き続き,最適化手法に関する研究を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議および国内の学会・講演会に参加し,積極的に本研究の成果・進捗状況を公表する.また,計算用コンピュータの購入を予定している.必要となる書籍の購入を予定.
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